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2016年9月 3日 (土)

G20における李克強総理の出番

 明日と明後日(2016年9月4日、5日)、中国の浙江省杭州でG20首脳会議が開かれます。既に各国首脳は杭州に集まりつつあり、習近平主席は、集まった各国首脳との個別二国間会談やこの機会に開かれたG20経済関係者の会議などでの演説など、既に一連の行事をこなしつつあります。オバマ大統領は既に杭州入りしており、今日(9月3日)は習近平主席とオバマ大統領との米中首脳会談も行われました。

 しかし、これら杭州でのG20関連行事に今のところ李克強総理が全く出てきていません。昨日(9月2日)と今日(9月3日)の中国中央電視台の夜7時のニュース「新聞聯播」では、習近平主席が各国首脳との二国間会談等をこなしている様子が長時間流されているのとは対照的に、李克強総理の名前は、わずかに「ウズベキスタンの大統領に死去に関して、習近平主席がウズベキスタン上院議長に、李克強総理がウズベキスタンの総理に弔電を送った」というニュースをアナウンサーが読んだ時に名前が出てきただけでした。党政治局常務委員の中では、全人代常務委員会が閉幕したニュースでは張徳江氏が、黒竜江省への視察のニュースでは劉雲山氏が「普通に」ニュースに登場していましたので、G20という中国にとって大きなイベントなのに、国務院総理の李克強氏が全くニュースに出てこないのはなんか変だなぁ、と私は思いました。

 外交案件は国家主席の役割なのだから、李克強総理はG20の期間中は北京でお留守番なのかもしれません。でも、私としては、例えば経済関係者の会議には李克強総理が出席して演説し、習近平主席と李克強総理がうまく役割分担して世界各国の有力者との関係行事をこなして、「いろいろ『不仲説』もあるけれども、私たちは『チーム中国共産党』『チーム中国政府』として連携して活動していますよ」という姿を世界に示して欲しかった、というのが私の気持ちです。

 G20関連行事のうち、数日前、先んじて中国を訪問して北京を訪れたカナダのトルドー首相訪中については、通常の外交案件と同じように、北京で李克強総理と習近平主席と別個に会談をしていますので、李克強総理が一連のG20関連行事から「はずされて」いるわけではないのですが、G20という大きなイベントをやっている杭州に李克強総理が姿を見せない、という事実自体、「習近平主席と李克強総理の不仲説」を世界に宣伝しているみたいなものなので、よくないと思います。

(注)胡錦濤主席-温家宝総理の時代は、緊急時対応の意味もあり(政治局常務委員の多数が江沢民元主席の「息のかかった人たち」ばかりだったこともあり)、二人が同時に北京を離れることは原則としてありませんでした(2008年5月の四川大地震対応など実際の「緊急時対応」の場合は別)。習近平主席-李克強総理の二人は、つい先日も、同じ時期に、習近平主席が青海省へ視察、李克強総理が江西省へ視察、といったように「まるで張り合うように」同時に別の地方に視察を行ったりするので、日頃から二人同時に北京を離れることについては、全く気にしていないように見えます。

 習近平主席ばかりがテレビに登場するG20関連行事のニュースを見ていると、もしかすると、今後、李克強総理の出番がだんだん少なくなっていき、来年(2017年)秋の中国共産党大会で決まる人事で李克強氏が国務院総理から退任することが決まるのかなぁ、などと早々と考えたくなってしまいます。そうなると「後任の国務院総理は誰がやるのか?」「中国マクロ経済政策運営の実務の『要』である周小川中国人民銀行総裁の去就はどうなるのか?」といった中国の経済政策に対する「先行き不透明感」に苛まされることになりそうです。(私がそう思うのは私の勝手なのですが、実際、中国人民の間にもそうした危惧が広がっていくのではないか、と私は心配しています)。

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コメント

習近平と李克強との派閥争いが表面化している。政権を全面的に掌握した一方が他方を排除、または粛清する非常事態があるかもしれない・・・。そうなると全国的な内紛に発展することも在り得る。何せ一党独裁の国であるから、内紛は大きな問題になりかねない。心配だ。

投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2016年10月21日 (金) 12時40分

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