« 「中国現代史概説」の目次と参考資料等のリスト | トップページ | 「反日デモ」と「人民日報」「強国論壇」 »

2010年10月16日 (土)

「08憲章(零八憲章)」全文の日本語訳

 劉暁波氏が2010年度のノーベル平和賞を受賞することが決まりました。中国に在住する中華人民共和国国籍の人がノーベル賞を受賞するのはこれが初めてです。劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞するひとつのきっかけとなり、また同氏が拘束されて懲役11年(政治的権利剥奪2年)の刑を受けたきっかけとなったのは、同氏が2010年12月にインターネット上で発表された「08憲章(零八憲章)」の主要な起草者であるからである、とされています。

 既に「08憲章」の概要は日本の新聞等にも掲載されていますが、「08憲章」は、現在の中国が抱える問題点を網羅的に指摘していると考えられますので、下記に全文の日本語訳を掲載します。この文章は、インターネット上に掲載されていた原文(中国語)を私が翻訳したものです。中国現代史にお詳しくない方にはわかりくい文言については、私が「訳注」をつけました。

 なお、劉暁波氏については、私のこのブログにある「中国現代史概説」の「第二次天安門事件」や「インターネット規制と『08憲章』」の項目をご覧ください。

(参考URL)私のブログの2010年5月18日付け記事
「『中国現代史概説』の目次と参考資料等のリスト」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2010/05/post-a7df.html

 この「08憲章」は2008年12月9日にインターネット上で公表されたものです。現在、「08憲章」が掲載されているインターネット上のサイト(外国語のものも含む)の多くは、中国大陸からはアクセスできないように規制が掛かっています。このブログを書いているニフティ社のブログサイト「ココログ」は、2009年暮ないし2010年初の段階で中国大陸部からのアクセスができない状態になっています。従って、下記の文章を中国大陸から見ることはできませんが、中国大陸以外にいる日本語のわかる方に御一読いただきたいと思ってアップしました。

 中国政府は「08憲章」に反対の立場を取っていますが、「08憲章」のどこが問題であるか、といった議論をすることすら許されていません。「08憲章」が中国の社会の分裂を招くよくない文章だと思うのならば、その問題点を指摘して堂々と反論すればよいのですが、賛成をすることのみならず「議論をすること」が禁じられているのです。

 現在(2010年10月15日~18日)、中国では中国共産党第17期中央委員会第5回全体会議(第17期五中全会)が開催されています。この会議で、胡錦濤総書記(国家主席)の後継者となる指導者の人事が決まるかもしれない、などと報道されています。このタイミングで「08憲章」を起草した中心人物とされる劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞が決まったことは、「中国現代史」との中でのひとつの「エポック」と言えることになるかもしれません。その意味もあり、私がシリーズで書いてきた「中国現代史概説」の延長線上の参考資料として「08憲章」の全文の日本語訳をアップしようと思った次第です。(なお、日本語として読みやすいように、原文では一段落になっている部分についても、日本語訳では段落をつけてある部分がありますので、その点はご了承ください)。

----------------------------
【08憲章】(零八憲章)

1.まえがき

 今年(2008年)は中国で立憲制度ができて100年(訳注1)、「世界人権宣言」が発表されて60周年、「民主の壁」が誕生して30周年、中国政府が「国民の権利と政治的権利に関する国際条約」に署名して10周年である。

(訳注1)清王朝の末期の1908年8月に「欽定憲法大綱」公布された。

 長期的な人権侵害と曲がりくねった困難な抗争の歴史を経て、目覚めた中国国民は、自由、平等、人権という人類共通の普遍的価値、即ち、民主、共和、憲政という現代政治の基本的な制度機構について、日に日に明確に認識するようになってきている。この普遍的な価値と基本的な政治機構を離れた「近代化」とは、人の権利を奪い、人間性を腐食させ、人間の尊厳を傷つけるという災難に満ちたプロセスである。21世紀の中国がこれから向かう方向はどこなのか。このような権威主義的統治の下での「近代化」が継続していくのか? はたまた普遍的価値を認識し、主流となっている文明を導入し、民主的政治体制を成立させるのか? これは、ひとつの避けることのできない選択である。

 19世紀中期の歴史的大変革において、中国の伝統的専制政治制度が腐敗し、中華の大地に「数千年見ることがなかった大変化」が除幕した。洋務運動(訳注2)では、物質の側面においての革新を追求したが、日清戦争において体制が既に時代遅れになってしまっていることが再び暴露されてしまった。戊戌の変法(訳注3)においては、制度の側面において革新を図ろうとしたが、結局は頑迷派による残酷な鎮圧により失敗してしまった。辛亥革命では、表面上、2000年以上続いた皇帝制度を葬り去り、アジアで最初の共和国を成立させた。当時の内憂外患の歴史的条件の中において、共和制度による政治体制は一瞬花を開いたが、すぐにまた専制主義による巻き返しを受けた。

(訳注2)「洋務運動」とは、1860年のアロー号戦争の後、危機感を持った曾国藩、李鴻章、左宗棠ら清朝の開明派の官僚が起こした運動で、積極的に西洋の技術を学ぼうとするもの。そのスローガンは「中体西用」(中国の体制の下で西洋の物資や技術を利用する)というものだった。

(訳注3)「戊戌の変法」とは、1894~1895年の日清戦争に敗れた清朝の進歩派官僚(康有為、梁啓超、譚嗣同ら)が光緒帝の賛同を得て、軍隊の洋式化、科挙の廃止、立憲君主制の構築などを目指して1898年に行った改革運動。当時、清朝の実権を握っていた西太后をはじめとする旧守派の前にわずか100日足らずで瓦解した。

 物質面での模倣と制度面での革新に失敗し、中国の人々は、文化的病根に対して深く反省し、遂に「科学と民主」を旗印とする「五四」新文化運動を開始した(訳注4)。しかし、国内にしきりに起こる戦乱と外敵の侵入により、中国政治の民主化の過程は中断を迫られた。抗日戦争に勝利した後、中国は再び憲政の過程を開始したが、国共内戦の結果、中国は現代版権威主義の深みに落ち込むこととなった。1949年に成立した「新中国」は、名前の上では「人民共和国」であるが、実質上は「党天下」である。執政党が全ての政治、経済、社会、資源を壟断(ろうだん)している。反右派闘争、大躍進、文革、六四(訳注5)、民間宗教活動や人権保護活動に対する弾圧など一連の人権侵害によって、数千万の命が失われ、国民と国家は、悲惨な対価を支払うことになった。

(訳注4)「五四運動」とは、直接的には、第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議において、山東半島からの日本軍の撤退等を要求した中国の要求が却下されたことに怒った中国の学生らが1919年5月4日に始めた愛国(反日)、反軍閥、反買弁資本家運動であるが、現在では、この頃進められていた諸外国の思想を紹介する啓蒙運動や魯迅などが進めていた文化面での改革運動など幅広い国民運動を含めて「五四運動」と呼んでいる。

(訳注5)「六四」とは、1989年6月4日に人民解放軍による武力弾圧によって幕を閉じた一連の学生や市民らによる運動、即ち「第二次天安門事件」のことである。

 20世紀後期における「改革開放」は、中国を毛沢東時代にあった広範な貧困と絶対的な権威主義から脱却させ、民間における財産と大衆の生活レベルを大幅に向上させ、個人の経済的自由と社会的権利の一部を回復させ、国民社会の成長を開始させた。この時期、民間における人権と政治的自由に対する要求は日に日に高まりを見せた。執政者は、市場化と私有化の経済改革へ向かって進むと同時に、人権を拒絶する状態から抜けだし、人権を段階的に変化させていくことを承認し始めた。中国政府は、1997年と1998年にそれぞれ2つの重要な国際人権条約に署名し、全国人民代表大会は2004年に憲法を修正して「人権を尊重し保障する」という文言を憲法の中に書き入れ、今年(2008年)、「国家人権行動計画」を承認しその実施を推進した。

 しかし、これらの政治の進歩は、今までのところほとんどは紙面上のことに留まっている。法律はあるけれども法治はなく、憲法はあるけれども憲政はなく、依然として政治の現実は誰の目にも明らかなものとなっている。執政集団は、依然として権威的統治を堅持しており、政治を改革することを拒絶している。これにより行政の場に腐敗が生じ、法治が確立ことは難しくなり、人権は明確にならず、道徳は衰退している。社会は両極端に分化し、経済は奇形的発展を遂げ、自然環境と人間文化環境は多重的な破壊を受け、国民の自由と財産及び幸福を追求する権利に対しては制度的保障が与えられず、各種の社会的矛盾は絶え間なく累積し、不満の感情は継続的に高まっている。特に、官民の対立激化と集団性事件の激増は、これらの問題がコントロールを失う情勢になりつつあり、現行体制は既に改革が避けられない段階にまで至っていることを明確に示している。

2.我々の基本理念

 この中国の未来の命運を握る歴史的節目に当たり、100年来の近代化の過程を反省する必要がある。我々は、次のような基本理念を掲げる。

自由:自由は、普遍的価値の核心が存在している部分である。言論、出版、集会、結社、引っ越し、ストライキ及びデモ等の権利は、全て自由を具体的に体現させたものである。自由を唱えないならば、即ち、現代文明ではない、ということができる。

人権:人権は国家から与えられるものではなく、各個人が生まれながらにして享有している権利である。人権を保障することは、即ち政府の第一の目標であり、公共の権力が合法性を持つ基礎であり、「人をもって基本となす」(訳注6)が内的に持っている要求である。中国の歴代の政治が受けた災難は、執政当局が人権を無視してきたことと密接に関係している。人は国家の主体であり、国家は人民のために尽くし、政府は人民のためこそ存在するのである。

(訳注6)「人をもって基本となす」(中国語で「以人為本」)は胡錦濤総書記が常々掲げているスローガンのひとつ。

平等:社会的地位、職業、性別、経済的状況、民族、肌の色、宗教あるいは政治信条に関係なく、一人一人の個人が持つ人格、尊厳、自由は全て平等である。法律は全ての人の前に平等であるということを必ず実現しなければならない。国民の社会的、経済的、文化的、政治的権利の平等の原則を確立しなければならない。

共和:共和とは「みんなでともに治める、平和のうちに共生する」という意味である。即ち、権力の分散とバランス、利益のバランスである。様々な種類の利益集団、異なった社会集団、多元的な文化や信仰を求める集団が全て平等に参加し、公平に競争し、共同で協議して政治を行うという基礎の上に立って、平和的な方法で公共事務を処理することである。

民主:最も基本的なその意味するところは、主権在民と人民に選挙された政府である。民主が持つ特徴は以下のとおりである:(1) 政権の合法性は人民に由来し、政治権力の源は人民にある (2) 政治統治は人民による選択を経て行われる (3) 国民は真正な選挙権を享有し、各レベルの政府の主要な政治を執り行う公務員は定期的な競争選挙を通じて選ばれなければならない (4) 多数の人による決定を尊重すると同時に、少数の人の基本的人権も保護する。ひとことで言えば、民主とは、政府を「人民が保有し、人民が統治し、人民がその利益を享受する」という近代的な公器にすることである。

憲政:憲政とは、法律の規定と法治を通じて、憲法が定めている国民の基本的自由と権利の原則を保障し、政府の権力とその行為の限界を定めて範囲を限定するとともに、それに相応する制度と措置を提供することである。

 中国においては、皇帝が権力を握っていた時代は既に過ぎ去っており、それを復活させてはならない。世界においては、権威主義体制は、黄昏(たそがれ)の日を迎えつつある。国民を真の意味での国家の主人にしなければならない。「名君」や「清廉な官僚」を待ち望むような「臣民意識」をぬぐい去り、権利を基本とし、参与することに責任を持つという国民意識を発揚し、自由を実践し、民主を自ら行い、法治を尊重することによってしか、中国にとっての根本的な出口はない。

3.我々の基本的な主張

 このような考え方に基づき、我々は、責任を持った建設的な国民精神に基づき、国家の政治体制と国民の権利及び社会発展に関する各方面の人々に対して以下のように具体的に主張する。

(1)憲法改正:前述の価値観と理念に基づき憲法を改正する。現行憲法の中にある主権在民とは合致しない原則や条文を削除し、憲法を真に人権の保証書、公的権力の許可状とする。憲法を、いかなる個人、団体または党派であっても違反してはならない最高の法律として実施し、中国における民主化のための法律権限を制定する基礎となるようにする。

(2)権力の分散とバランス:権力の分散とバランスを持った近代的な政府を構築し、立法、司法、行政の三権分立を保障する。法律に基づく行政と政府の責任を確立し、行政権力が過大に膨張することを防止する。政府は納税者に対して責任を負い、中央と地方政府との間の分権とバランスの制度を確立する。中央の権力は憲法により明確にその授権される範囲を限定し、地方においては十分な自治を実行する。

(3)立法民主:国及び地方の各レベルの立法機関は直接選挙により選出されることとする。立法は公平正義を原則とし、立法による民主政治を実行する。

(4)司法の独立:司法は党派を超越していなければならず、いかなる干渉も受けず、司法の独立を実行し、司法の公正さを保障しなければならない。憲法法院を設置し、違憲審査制度を設立し、憲法の権威を守る。国家の法治制度に著しく損害を与えている各レベルの党の政法委員会を撤廃し、公器の私物化をさせないようにする。

(5)公器の公用:軍隊の国家化を実現する(訳注7)。軍人は憲法に忠実であり、国家に忠実でなければならない。政党組織を軍隊の中から退出させ、軍隊の職業化レベルを向上させなければならない。警察内部の全ての公務員は政治的中立を保持しなければならない。公務員の採用における党派による差別を撤廃し、党派によらない平等な任用を確保しなければならない。

(訳注7)現在の人民解放軍は、中国共産党の軍隊であり、中華人民共和国の軍隊ではない。

(6)人権の保障:人権の保障と人格の尊重を守ることを確実に行う。最高民意機関に対して責任を負う人権委員会を設置し、政府の公権乱用による人権侵害を防止する。特に、国民の人身の自由を保障し、何人たりとも法律によらずに逮捕され、拘禁され、召還され、審問され、処罰されることがないようにする。労働矯正制度(訳注8)は廃止する。

(訳注8)現在の中国の労働矯正制度は、公安などの行政機関の判断により、労働しながら教育を行う行政罰であり、司法手続きを必要としていない。

(7)公職の選挙:全面的に民主的な選挙制度を推進し、一人一票の平等な選挙権を実現する。各レベルの行政機関の首長の直接選挙制度を段階的に推進する。定期的な自由選挙と国民が法律を制定する公共の職務に参加することは、奪うことのできない基本的な人権である。

(8)都市と農村との平等:現行の都市と農村の二重戸籍制度(訳注9)を廃止し、国民が一律に平等な憲法に基づく権利を有するようにする。国民が自由に引っ越しする権利を保障する。

(訳注9)現在、中国では生まれによって農村戸籍と非農村戸籍のどちらかに編入される。長年都市部で働いていたとしても農村戸籍の者がその都市の非農村戸籍に編入することは極めて難しい。農村戸籍の者及びその子女は、どんなに長い期間、都市で働き、生活をしていたとしても、都市の政府から教育、医療、老後保障などの行政サービスを受けることができない。

(9)結社の自由:国民が自由に結社する権利を保障し、現行の社会団体登記審査制度を届け出制に改正する。党派による禁止事項をなくし、憲法と法律によって政党の行為の規範を定め、ひとつの党が政策遂行を担当する特権を廃止する。政党活動の自由と公平競争の原則を確立し、政党政治の正常化と法制化を実現する。

(10)集会の自由:平和的な集会、行進、デモ、表現の自由は、憲法が規定する国民の基本的な自由である。この自由が執政党と政府による法律に基づかない憲法違反の制限を受けないようにしなければならない。

(11)言論の自由:言論の自由、出版の自由、学術の自由を実行し、国民の知る権利と監督する権利を保障する。「新聞法」と「出版法」を制定し、新聞に関する禁止事項を廃止し、現行の刑法の中にある「国家政権転覆煽動罪」の条項を廃止し、言論が犯罪とされることがないようにする。

(12)宗教の自由:宗教の自由と信教の自由を保障する。政教分離を実行し、宗教信仰活動が政府による干渉を受けないようにする。国民の宗教の自由を制限するあるいは剥奪する行政法規、行政取り決め及び地方レベルの法規定については、審査し撤廃する。行政や立法によって宗教活動を管理することを禁止する。宗教団体(宗教活動を行う場所を含む)について必ず登記して合法的地位を先に許可を得なければならないという現行の制度を廃止し、審査を必要としない届け出制に改める。

(13)国民教育:一党による統治のために行われ、濃厚なイデオロギー的色彩を帯びた政治教育と政治テストは廃止する。普遍的な価値と国民の権利を基本とする国民教育を幅広く推進し、国民意識を確立し、社会に貢献する国民の美徳を提唱する。

(14)財産保護:私有財産の保護制度を確立し、自由で開放的な市場経済制度を実行し、創業の自由を保障し、行政による壟断を排除する。最高民意機関に対して責任を負う国有資産管理委員会を設置し、合法的かつ秩序をもって財産権制度の改革を推進し、財産権の帰属と責任者を明確にする。新しい土地運動を展開し、土地の私有化を推進し、国民、特に農民の土地所有権をしっかりと保障する。

(15)財政税制改革:民主的財政と納税者の権利を確立する。権限と責任が明確になった公共財政制度システムを構築して規制を実施し、国及び地方の各レベルの政府において合理的で効率的な財政と分権の体系を成立させる。課税制度について大きな改革を行い、税率を引き下げ、税制を簡素化し、税の負担の公平化を図る。社会の公共的な選択プロセス、即ち民意を受けた機関の議決を経ずして、行政機関が恣意的に課税をしたり新しい税金を創設したりすることができないようにする。財産権制度の改革を通して、多元的な市場主体による競争原理を導入し、金融に参入するための障壁を緩和する。民間における金融創造を発展させるための条件を整え、金融システムが十分に活力を発揮できるようにする。

(16)社会保障:国民全体をカバーする社会保障体系を作り、国民の教育、医療、養老及び就業等の方面において最も基本的な保障がなされるようにする。

(17)環境保護:生態環境を保護し、持続的な発展を提唱し、子孫の世代及び全人類に対する責任を果たす。国家及び地方の各レベルの政府の公務員は、明確にそれぞれが負っている責任を果たす。環境保護活動の中において民間組織を参与させ監督の役割を発揮させる。

(18)連邦共和:平等、公正の態度をもって各地区の平和的な発展を図り、全体の国としての責任を負う形を作り上げる。香港とマカオの自由制度を維持する。自由と民主主義の前提の下、平等の立場で協議とお互いに協力し合う方式をもって、海峡両岸(大陸と台湾)の和解方策を追求する。各民族が共同で繁栄可能な道程と制度設計を探るための知恵をもって、民主的憲政システムの下に、中華連邦共和国を設立する。

(19)正義の転換:過去の歴代の政治運動の中で政治的に迫害を受けた人たちとその家族のために、名誉回復と国家賠償を行う。全ての政治犯と良心犯を釈放する。全ての信仰に基づいて罪を得た人々を釈放する。真相調査委員会を設置し、歴史的事件の真相を調査し、責任を明らかにし、正義を実行する。そして、その基礎の上に立って、社会における和解の道を探求する。

4.むすび

 中国は世界の大国として、国連安全保障理事会の5つの常任理事国の一つとして、国連人権理事会のメンバーとして、当然のこととして、人類の平和のための事業と人権の進歩に対して自分自身が貢献しなければならない。しかし、多くの人を残念だと思わせているのは、現在の世界の全ての大国の中において、ただ一つ中国だけが依然として権威主義政治の状況の中にあり、それによって連綿として絶えることのない人権侵害と社会的危機が作り出され、中華民族自身の発展が阻害され、人類文明の進歩に制約を加えていることである。この局面は、必ず変えなければならない! 政治の民主化は、もはやもう、先延ばしにすることはできない。

 このため、我々は、勇気を持って実行するという国民精神に則り「08憲章」を発表した。我々は、同様の危機感を持ち、責任感を感じ、使命感を感じている全ての中国国民が、政府部内にいるか民間にいるかにかかわらず、その身分の如何にかかわらず、意見の違うところがあってもそこはそのまま残して共通点を見つけ出し、積極的に国民運動を起こし、共同して中国社会の偉大な変革を起こすことに参加することを希望する。それをもって、一日も早く、自由で、民主的な憲政国家を設立し、我が国の人々が百年以上にわたってねばり強く追い求めてきた夢が実現されることを希望する。

(以下、署名人リスト)

以上

|

« 「中国現代史概説」の目次と参考資料等のリスト | トップページ | 「反日デモ」と「人民日報」「強国論壇」 »

「中国現代史概説」」カテゴリの記事

中国の民主化」カテゴリの記事

コメント

御陰様で08憲章の全文を初めて読みました、中国本土にいるものです、中国からのアクセスがなかなか難しいことでしたが、今回アクセスして拝見できるのを本当に意外でした、中国語に翻訳して親友に読んでもらいたいです。ありがとうございます。

投稿: noahark | 2010年12月14日 (火) 11時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「中国現代史概説」の目次と参考資料等のリスト | トップページ | 「反日デモ」と「人民日報」「強国論壇」 »