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2009年3月17日 (火)

ニセ薬とニセテレビ

 以前ほどの「鋭さ」がなくなった最近の中国中央電視台第一チャンネル(総合チャンネル)19:38~放送の報道番組「焦点訪談」ですが、今週は久々に結構深刻な「告発もの」をやっていました。

 一昨日(3月15日)放送分は「ニセ薬」の話でした。「病院に薬を納入する業者が正式な証明書が添付されていない薬を納入した際、病院側が『証明書は?』と尋ねると、今回は間に合わなかったので、後ですぐに送ります、と言われたので、病院側はそれを信用して薬を受け取り、そのまま患者に処方した。しかし、いつまで経っても薬納入業者から『証明書』は送られてこず、そのうちに服用して体の不調を訴えた患者が出て、納入された薬がニセモノだったことがわかった。病院側では、薬を患者に渡した記録をきちんと取っていなかったために、ニセ薬がどの患者に渡されたのかはわからない。」という話でした。

 番組では、ニセ薬を作って売り込むニセ薬業者も問題だが、チェックの甘い病院側も問題だ、というような指摘をしていました。中国では、単なる風邪であっても、医者に掛かるのは命懸けです。

 今日(3月17日)放送分は、政府の内需刺激策として採られている「家電下郷」政策(農村で家電製品を買うと、一定の条件に当てはまる場合に価格の13%の補助金が政府から支給される制度)を悪用して、廃品テレビを改造して新品のテレビのようにして農村に売る悪徳業者の話をやっていました。この悪徳業者は、10年以上使った廃品テレビから、ブラウン管など、まだ使える部分を集めてきて、きれいな外枠をはめて、「家電下郷」政策を使ってテレビを買おうとする農民に対して、あたかも新品のテレビであるかのように売っていたのでした。新品テレビだと思って買って使っていたら、1か月たたないうちに故障したので、分解して調べてもらったらブラウン管が使い古しのものであることがわかった、というのが発端だそうです。

 ブラウン管の表面をきれいに拭き、外枠には新しいものを使っただけでなく、段ボールの包装は新品のものを使い、取り扱い説明書だけは新しく印刷したものを入れてあった、というのですから、相当に悪質です。

 一般に「中国製(メイド・イン・チャイナ)」の品質問題が日本などでも問題にされますが、私は基本的に日本で売っている中国製の製品はそれほど心配する必要はないと思っています。輸入する日本の商社が品質には厳しいチェックを掛けているからです。問題は中国製の製品を中国国内で買わざるを得ない中国国内に住んでいる私のような人間や中国の人々です。もちろんちゃんとした製品がほとんどなのですが、たまに「はずれ」の製品に当たる場合があります。私は薬の類は買わないようにしていますが、食べ物は買わないわけにはいかないので、毎日「今日は当たらないように」と祈りながら食べています。

 政府の取り締まり機関も一生懸命取り締まっているし、この「焦点訪談」のようにテレビやマスコミでも取り上げられるのですが、中国のニセモノはなくなりません。一連の「焦点訪談」の「ニセモノ問題特集」は、3月15日の「世界消費者保護デー」にちなんだ特集番組のようです。やはり、結局は、消費者の声を直接政府に訴えられるようなシステム、即ち、取り締まりをきちんとやらない地方政府のトップは住民によってクビにされるという直接選挙による民主制度がない、ということが中国の最大の問題なのでしょう。

 政治の民主化が進まない限り、中国国内におけるニセモノ追放キャンペーンとニセモノ業者のイタチごっこは永遠に続くと思います。

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