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2009年2月 1日 (日)

中国で各地で鳥インフルエンザにより死者

(御注意)以下の文章は2009年2月1日16:00(北京時間)時点で書いたものであり、中国における鳥インフルエンザに関する情報については、例えば、在北京日本大使館のホームページなどで、常に最新のものを確認するようにしてください。

(参考)在中国日本大使館ホームページ
http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

 今年(2009年)に入ってから、中国の各地で鳥から人への感染と思われる鳥インフルエンザによって患者が数多く発生しており、死者も出ています。在北京日本大使館のホームページ上の情報、その他の報道された情報をまとめると現時点での状況は以下のとおりです。

(事例1)河北省で生きた鳥を買って自分で加工した北京市朝陽区在住の19歳の女性が2008年12月24日に発病、2009年1月5日に死亡。同日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。密接接触者に対する医学観察が行われたが、異常は発見されなかったため、1月12日に密接接触者に対する医学観察を全て解除。

(事例2)山西省呂梁市孝義市在住の2歳の女児が1月7日に湖南省で発病し11日に祖父母とともに山西省に移動。14日に病状が悪化し入院。女児は一時重体。17日に患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。密接接触者に対する医学観察が行われたが、異常は発見されなかったため、1月24日に感染者との密接接触者に対する医学観察を全て解除。この女児はその後危篤状態を脱して病状は安定。
※この案件については、在中国日本大使館のホームページでは「山西省における事例」と表現しています。
※※1月20日北京発の時事通信が第一財経日報が報じているところとして報じているところによれば、この女児の母親が1月上旬肺炎で死亡したが、この母親が鳥インフルエンザに感染していたかどうかは確認できなかった、とのことです。

(事例3)山東省済南市在住の27歳の女性が1月5日に発病し17日に死亡。18日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。密接接触者に対する医学観察が行われたが、異常は発見されなかったため、1月24日に感染者との密接接触者に対する医学観察を全て解除。

(事例4)貴州省黔東南州在住の16歳の男性が1月8日に発病。16日に湖南省懐化市に移動して入院。患者は20日に死亡。19日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。密接接触者に対する医学観察が行われたが、異常は発見されなかったため、1月24日に感染者との密接接触者に対する医学観察を全て解除。疫学調査によれば患者は発病前に死んだ家禽との接触歴がある。
※この案件については、在中国日本大使館のホームページでは「湖南省における事例」と表現しています。

(事例5)新彊ウィグル自治区ウルムチ市トウ屯河区在住の31歳の女性が1月10日に発病し、23日死亡した。24日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。疫学調査によれば患者は発病前に家禽市場との接触歴がある。

(事例6)貴州省貴陽市雲岩区在住の29歳の男性が1月15日に発病、病状は重篤。1月25日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。疫学調査によれば患者は発病前に家禽市場で鳥との接触歴がある。

(事例7)広西チュワン族自治区北流市在住の18歳の男性が1月19日に発病し、26日に死亡。同日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。疫学調査によれば患者は発病前に死んだ家禽との接触歴がある。

(事例8)湖南省ジョ浦県(「ジョ」はさんずいに「叙」)在住の21歳の女性が1月23日に発病。26日にジョ浦県の病院に入院、29日には長沙市の病院に転院。現在、患者の病状は基本的に安定。1月30日、患者のサンプルから鳥インフルエンザウイルス(H5N1)陽性を確認。疫学調査によれば患者は発病前に死んだ家禽との接触歴がある。
※在北京日本大使館のホームページ上では「湖南省での二例目の事例」と表現。上記の「事例4」とは感染場所が別。

 上の文中に書いてあるように「事例1」~「事例4」は、発見された感染例以外への感染のないことが確認されているため、密接接触者に対する医療観察は既に解除されています。上記の事例の多くで鳥との接触歴があることがわかっており、これらの事例は今のところ鳥から人への感染によるものと思われ、人から人への感染を疑わせるような事例は、今のところ出ていません。現在確認されている毒性の強い鳥インフルエンザ・ウィルスは、鳥から人へ感染することはあっても、基本的に人から人へは感染することはありません。ただし、ウィルスの突然変異により鳥インフルエンザ・ウィルスが人から人へ感染しやすい性質を獲得する可能性は常に存在します。このため、人から人への感染が起こっていないかどうか、医学観察が行われるのです

 毒性の強い鳥インフルエンザ・ウィルスが突然変異により人から人へ感染する性質を獲得した場合、そのウィルスは「新型インフルエンザ・ウィルス」と呼ばれます。「新型インフルエンザ・ウィルス」は、未知のウィルスであるため、誰も免疫を持っていないので、もし人から人への感染が始まった場合には、爆発的に流行する可能性があります(爆発的な流行を「パンデミック」と言います)。

 1月26日は春節(旧正月)元旦だったので、お祝いに家禽類を絞めて料理した人が多かったことが、鳥から人への感染例が多くなった理由である可能性があります。鳥から人への感染例(及びその結果患者が死亡した例)は、今までもインドネシアなど各国で事例があり、中国各地でもこれまでも散発的に報告されてきました。しかし、これだけまとまった数の感染例が報告されたのは中国では初めてです。昨年の春節時には、このようなまとまった数の感染例の報告はありませんでした。

 本当に発生事例が増えたのか、昨年は発生はしていたけれどもオリンピック前だったので公表されなかったのか、そのあたりは定かではありません。ただ、中国の少なくとも中央政府は、SARSの時の痛い経験があるので、事例が発生したら迅速に公表するとともに、WHO(世界保健機関)への通報などを行うようにしています。今年、これだけ多くの事例が報道されているということは、むしろ地方政府も含めて鳥インフルエンザに対する関心が高まり、透明性が高まったことの表れなのかもしれません。(ただし、上記の事例を見てもわかるように、病状が重篤にならないと病院に掛からない例もみられる(中国では医療保険制度が整備されておらず、貧しい人はなかなか病院に行こうとしない)のが心配です)。

 いずれにせよ、春節の連休は昨日(1月31日)で終わりなので、これから春節後の「Uターン・ラッシュ」による人の移動がまた大規模に始まります(すでに「Uターン・ラッシュ」は始まっている)。春節後の人の移動が落ち着くまで、これから数週間は要注意の状態が続きます。

 中国在住の方、またはこれから中国を訪問される御予定の方は、上の方に書いた在中国日本大使館のホームページ等で現状と注意事項をよく御覧になることをお勧め致します。

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