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2009年1月26日 (月)

春節演芸番組の「ウラ番組」

 今日(2009年1月26日)は、旧暦の元旦です。中国や韓国などアジアの多くの国々では「春節」としてお祝いします。

 昨晩は、旧暦の「大晦日」でしたが、中国の中央電視台では、旧暦の「大晦日」に大型演芸番組(「春節晩会」)を放送するのが恒例です。日本の「紅白歌合戦」と同じようなものですが、日本の「紅白」とは違い、中国の「春節晩会」は、歌あり、演芸あり、のバラエティー番組です(日本の「紅白」も歌番組というよりはバラエティーと言った方がよいのかもしれませんが)。

 ずいぶん昔から同じような形式の番組なので、中央電視台の「春節晩会」は、日本の「紅白」と同じように「マンネリだ」との批判があります。そこで、最近は、中国中央電視台の「春節晩会」とは別に独自に年越しの演芸会を企画しよう、という動きが出ています。

 一部日本の新聞でも紹介されましたが、今年は、この手の「裏番組」の「春節晩会」は、昨年の流行語のひとつ「山寨」を使って、「山寨晩会」と呼ばれました。「山寨」とは「山奥の山村」という意味で、中央政府の管理が及ばないところ、を意味しています。「山寨文化」「山寨製品」などという使い方をする場合には、政府の取り締まりが及んでいない著作権侵害、特許侵害など何でもアリの「模造品」「模造文化」という意味があります。

 今年は、1月になってから、一部の知識人が「中央電視台は党の宣伝に過ぎないから、視聴するのをボイコットしよう」といった呼び掛けをしたこともあり、別の意味で「山寨春節晩会」にも注目が集まりました(正式な「春節晩会」のパロディのようなものをやるのではないか、という期待もあったからです)。

 ところが、1月22日付けの「京華時報」によると、今年の「山寨春節晩会」を開くという企画に対して、北京市政府の文化関連部門が介入し、検査を行ったとのことです。その記事が「人民日報」ホームページ(人民網)にも転載されています。

(参考)「人民日報」ホームページ(人民網)に転載された2009年1月22日付け「京華時報」記事
「『山寨春節晩会』が審査による関門に遭遇 文化部門の介入により開演場所が取り消しとなる可能性も」
http://culture.people.com.cn/GB/8710345.html

 中国の場合、コンサートや演劇など一般大衆に見せるものには、全て「検閲」が入りますので、ある意味ではこういった介入があるのは当たり前なので、本件は本当はそんなにニュース性のある話ではありません。ただ、私としては、それを「京華時報」が記事にして、それを「人民日報」のホームページが転載している、という事実の方に興味を持ちました。この記事が、こういった娯楽目的の演目に対してまで政府の文化部門が審査のために介入することに対して、批判的な目で書かれているからです。「人民日報」ホームページの編集部門の中にも、こういった「検閲」のやりすぎについて疑問を持っている人がいることを示していると思ったからです。

 この「山寨春節晩会」は一部の人が期待しているような、党や政府の政策をパロディ化したものとか、暗に党や政府の政策を批判するようなことはもともと想定しておらず、純粋に中央電視台の「春節晩会」はマンネリを打破して、自分たちでもっと面白い企画をやりたいと考えた人たちによる演出だったようで、この件はそれ以上、大きな話にはならなかったようです。

 ただ、中国では、多くの人の間に、何でもかんでも「検閲」が掛かる、という現在の体制に対する不満がだんだん高まってきているのではないかと私は思っています。

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