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2008年8月17日 (日)

女子マラソン・北京でのテレビ観戦記

 今日(8月17日)、北京時間朝の7:40スタートの北京オリンピック女子マラソンを中国中央電視台第2チャンネルで見ました。マラソンは、チケットがなくても沿道で応援することは可能なんですが、コースのどのあたりが見やすいスポットなのかよくわからなかったし、そもそも日曜日の朝7:40スタートいうのは起きるのがなかなかつらいので、テレビ観戦にしました。今日は大気汚染もほとんど気にならず、気温もかなり低めでした。ちょっと小雨が降りましたが、マラソンにとっては直射日光が差すよりはコンディションとしては良かったのではないでしょうか。

 日本選手のメダルはなりませんでしたが、土佐礼子選手は故障があったようですし、中村友梨花選手は初めてのオリンピックのマラソンでの13位は収穫があったのでないかと思います。トップはルーマニアのトメスク選手のぶっちぎりの優勝でしたが、2位争いは中国の2人とケニアの2人のしのぎあいが、まるで「チーム戦」のような迫力がありました。

 テレビの中継放送は、基本的に国際映像として撮影ものが中継されていますので、日本で放映された映像と北京で私が見た映像とに違いはないと思います。午後にNHK-BS1でも録画放送をやっていたのも一部見ましたが、違いとして感じたことを書いておきたいと思います(演出として、選手の走る姿のスローモーション映像が多用されていましたが、これは中国国内で放送されたものと、外国へ送信されたものとは、たぶん同じものだったろうと思います)。

○中央電視台ではスタートから最初の30分間程度が中継されなかった。

 今朝7時代の中国中央電視台第2チャンネルでは、「今日の試合の見どころ」などをスタジオから放送していました。その中で、女子マラソンの中継は7:30から開始します、と予告がありました。7:30になると、過去のオリンピック・マラソンの勝者の紹介が始まり、続いて期待される中国選手の紹介があり、その後コマーシャルに入りました(中国中央電視台は国営のテレビ局ですがコマーシャルが入ります)。そのコマーシャルが長々と続き、7:40を過ぎてもコマーシャルをやっていました。おかしいなぁ、何かの都合でスタートが遅れているのかなぁ、と思って見ていたら、7:50頃になって、またカメラはスタジオに戻ってしまいました。で、「それではここで昨日の競泳の様子を見てみましょう」とアナウンサーが言って、昨日の競泳の試合のビデオが流れ始めました。女子マラソンの中継がどうなったのか、何か説明したのかも知れませんが、私の中国語ヒアリング能力はからきしダメなので、そういった説明が何かあったようには聞こえませんでした。

 8:00を過ぎても昨日の競泳のビデオが流れ続けているので、「何か不測の事態でも起きたのかもしれない」と思ってパソコンを立ち上げて見たら、日本のネットのニュースの速報では「女子マラソン・スタート」と出ていました。レースはスタートしていたのに、中央電視台の中継が始まっていなかったのです。おかしいなぁ、と思ってほかのチャンネルに切り替えたりしていたのですが、8:10頃に中央電視台第2チャンネルに戻ってみたら、前門から天安門前広場あたりを走っている選手団の映像が映っていました。それから後は、おそらく日本の皆さんが御覧になったのと同じような正常なマラソン中継でした。

 私は、どこかマラソン・コースの沿道で、観客が中国としては認められない旗や横断幕などを掲げる、といったトラブルがあったのかなぁ、と思いました。もしそういう「事件」があっても、中国のメディアでは報道しませんが、もし何かあったら、外国のメディアはすぐに報道するはずです。それで、CNNやBBCを見たり、ネットで日本のニュースを見たりしましたが、そういった「事件」があったとはどこも報じていません。日本で中継を見ていた人に電話で聞いてみたら、特段そういった「好ましくない」状況はなかった、とのことでした。

 そもそもスタート地点の天安門前広場は、一般観客は立ち入り禁止にしていたはずで、スタート時点では、旗や横断幕を掲げるような「事件」や「トラブル」は起こりようがなかったはずです。そういった状況を考えると、中央電視台の中継機器関連で何らかの技術的なトラブルがあったのかもしれません。それにしても、日本への国際映像の送信は問題なく行われていたわけですので、なぜ中央電視台で最初の30分間の中継がなかったのかは、今のところナゾです。明日の新聞に何か情報が載るかもしれません。

○中央電視台の中継では小さくBGMが入っている

 中央電視台の中継では、周囲の観客が応援する声も聞こえているのですが、それに重ねて「雰囲気を盛り上げるような」音楽が音量は小さいですけれども流れていました。このBGMは、NHK-BS1では流れていなかったので、中央電視台の方で入れたのだと思います。BGMを入れた意図は不明です。沿道から「好ましくない声援」が聞こえた時にそれを打ち消すため入れた、などと「勘ぐる」のは「勘ぐり過ぎ」なんでしょうね。

○コマーシャルがちょっと多過ぎ

 女子マラソンは2時間半ちょっとの中継なので、途中でのコマーシャルはなしで中継するのだろうなぁ、と思っていたのですが、中間点をちょっと過ぎたあたりと、30キロを少し過ぎたところでコマーシャルが入りました。また、ゴールまであと数キロというところで、スポンサーのロゴが入った「各国メダル獲得数速報」が入りました。中央電視台は国営テレビなのですから、オリンピックのマラソン中継くらいコマーシャルなしで放送して欲しかったと思います(中国のネットの掲示板でも、この点の不満を感じた人の書き込みがありました)。

○やっぱりマラソン選手は速い

 今回のコースは、天安門前→天壇公園→天安門前→西単→中関村→北京大学キャンパス→清華大学キャンパス→国家スタジアム(鳥の巣)というコースでした。ほとんど知っているところばかりだったのですが、改めてマラソン選手の速さに驚きました。天安門は北京市街地のど真ん中、北京大学・清華大学は北京市街地の北西のはずれで、車で移動する場合でも「相当に遠い」と感じる場所です。平日の夕方だったら、同じコースを車で移動したとすると(もっとも天壇公園の中には車は入れませんが)、2時間半以上掛かる可能性が高いと思います。

○思ったより選手の近くで一般観客が選手を見られた、と感じた

 天安門前広場あたりにいた人たちは、限られた「選ばれた者」であって「一般観客」ではないと思いますが、天壇公園から永定門へ向かうまでの間や中関村あたりでは、明らかに「一般観客」と思える人たちが、私の予想よりは近くまで来て、選手を応援していました。警備担当者が10メートル間隔に1人程度いる、といったことは、私としては「想定の範囲内」でしたので気にはなりませんでした。私は沿道もかなり遠くのところまで警備担当者によって立ち入り制限がなされ、テレビの画面に「一般観客」が映らないくらいなのじゃないか、と思っていました。天安門前広場などは、その予想通りでしたが、中関村あたりでは、白い柵やテープで観客が飛び出さないように仕切られてはいましたが、選手の走るコースの割と近くに「一般観客」が近寄れる場所があったなぁ、というのが私の感想です。テレビの画面にも「一般観客」が随分たくさん映りました。

 天安門前広場周辺にいたのは「選ばれた人たち」(別の言い方をすれば「サクラの観客」)だと思いますが、中関村あたりにいたのは、サクラじゃないと私は思います。

 なお、北京大学と清華大学のキャンパスの中にもたくさんの応援団がいましたが、キャンパスの中にいたのは学生や大学関係者で「一般観客」ではないと思います(たぶん大学のキャンパス内には大学と関係のない「一般客」は入れなかったと思うので)。

○あんまり「北京観光案内」にはならなかった

 北京市内の観光スポットをつなげたようなマラソンのコースを見て「これはテレビ中継は、選手を撮す、というよりは『北京観光案内』になるのじゃないかなぁ。」と思っていましたが、そうはなりませんでした。極めてまじめなマラソンの試合の中継でした。

 ポイント、ポイントで有名な建物などの紹介映像はありましたが、中南海(中国共産党本部)の前などは、ほとんど知らないうちに過ぎてしまった感じですし、北京大学、清華大学に入る時も、大学名の入った門を撮したり、由緒ある建物を撮したり、といった工夫はあまりやっていませんでした。上に書いたように中央電視台では最初の30分間は中継をやっていなかったので、天壇公園の中でどういうアングルで映像を撮っていたのか、私は見られなかったのが残念です(天安門や故宮もそうですが、天壇公園もユネスコの「世界遺産」の一部です)。

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 なお、今日の女子マラソンの試合の際は、大気汚染は心配したほどではなかったと私は思うのですが、国家環境保護部のホームページの「重点都市大気汚染指数」のページには、今日(8月17日)はデータが載っていません。基本的には、毎日午後には、その日の大気汚染指数がこのホームページ上で公開されるのですが、時々、ページにデータが載らなかったり、最新のデータに更新されなかったりすることが起きます。オリンピック期間中は確実に毎日ホームページ上のデータは更新されるだろう、と思っていたのですが、今日はダメでした。普通、何日かすると、過去の分も含めて一括してデータが更新されるので、数日たてば今日の大気汚染指数も見られるようになると思います。私の感覚では、今日の大気汚染指数は40台~50台程度だったのではないかと思います

※私の感覚では、視界は問題なかったのですが、ちょっと自動車の排ガスのようなにおいがあったので、少ないけれども一定の汚染はあったと思います。

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