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2008年8月26日 (火)

北京オリンピックが終わった翌日

 昨日(北京オリンピックが終わった翌日の8月25日(月))、北京から関西空港経由で東京に来ました。本来ならば、北京発・成田行の便に乗りたかったのですが、満席で予約が取れなかったので、関西空港で国内線に乗り換えて羽田に着きました。

 閉会式翌日、ということで、北京空港第三ターミナルは、オリンピック関係者(選手、役員)や報道陣などの帰国ラッシュでした。国際線ターミナルには、まだ青い北京オリンピックのボランティアの制服を着た人たちがたくさんいて、いろいろ案内などをしていました。ターミナルには、ほんとにいろんな国々の人がいて、体つきやユニフォームから明らかに出場した選手たちだとわかるような人たちもいました(顔を覚えているような有名な選手には出会いませんでしたが)。私はオリンピックの試合会場へは行きませんでしたが、いろんな肌の色の、いろんな言葉を話す人たちがいっぱいる空港で、オリンピックの雰囲気を味合うことができました。

 空港では、各国の人たちが、ボランティアの人などと「お世話になりました。じゃ、ここで記念撮影しましょう。」と記念撮影する姿があちこちで見られました。外国の選手・役員の人たちはおみやげ物のオリンピックのマークの入ったシャツなどを着ている人たちもたくさんいましたが、なんとなく、このオリンピックという「機会」と別れがたく、思い出に残すために記念品を買っていきたい、と思う気持ちはよくわかるような気がしました。

 オリンピックとは、肌の色も、話す言葉も全く違うんだけれども、みんなが同じように「国旗」と「自国民の期待」という誇りとプレッシャーを背負って奮闘し、勝つ人もあり負ける人もあり、だけど「挑戦している」こと自体は共通で、勝ったとき、負けたときに感じる感情が共通だ、ということを観客も含めて、全て参加者が同じ感覚で共有できる場所なんだと思いました。「全然別の国の人と同じ気持ちになれた」ことがものすごく嬉しくて、そしてその嬉しさを相手の国の人も同じように感じていて、だからそれがものすごく大事なことのような気がして、一緒に記念撮影したり、そうした思いを抱いたことを忘れないようにするために記念品を買いたくなったりするのだと思います。

 商業主義だとか、スポーツに「国の威信を掛ける」なんておかしい、などという批判がいろいろある中で、世界各国の人が異口同音に「やっぱり、4年後にはまた集まりましょう。」と言い合うのは、「全然別の国の、言葉もわからない国の人と、同じ気持ちになれた」ということがすごく嬉しくて、貴重に思えて、4年後にまた同じ経験がしたいからだと思います。

 中国の国家指導者の方々がどう考えているか知りませんが、今回の北京オリンピックで、多くの中国の人たちが「他の国の人と同じ気持ちになれた嬉しさ」を初めて経験したと思います。これは北京オリンピックが残した大きな財産です。

 昨日、北京から東京に来るまでに乗った飛行機の中で、私は何回も Mr. Children の「GIFT」を聞いていました。まだ、中国では、中国が勝つことにこだわる傾向があり、勝てなかった選手に対する風当たりは強いのですが、北京オリンピックは「勝ち負けじゃない価値観」という大きな「GIFT」を中国に残したと思います。この「勝ち負けじゃない価値観」は、「金儲けだけじゃないという価値観」につながるので、今の中国にとっては非常に大事なことだと思います。

 トウ小平氏の「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕る猫はよい猫だ」という「白猫・黒猫論」は、「社会主義の理想を追求する政策でも、資本主義的傾向のある政策でも、人民の生活を向上させる政策がよい政策なのだ」という意味であり、政治理念としては、非常に正しいものだと私は思います。しかし、現在の中国では、それを少し敷衍(ふえん)しすぎて「環境汚染や腐敗行為など、少しぐらい倫理的に疑問のある行為に目をつぶったとしても、経済が発展し、みんなでお金儲けができるのならば、それがよい政策なのだ」といった誤った認識が中国の国のあり方を狂わせていると私は思っています。ですから、私は「金儲けだけじゃないという価値観」は、今の中国にとってとても大切なものだと思っているのです。今回の北京オリンピックが中国に残した「勝ち負けじゃない価値観」という大きな財産が、しっかりと中国の中に根付いて欲しいなぁ、と願っています。

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