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2008年7月11日 (金)

2008年上半期の北京の大気汚染指数

 今までにもこのブログで何回か国家環境保護部(今年3月の全人代の決定により「部」に昇格する前は国家環境保護総局)が発表する北京の大気汚染指数について書いてきました。

 大気汚染指数の定義等については、下記の記事を御覧ください。

(参考1)このブログの2007年6月19日付け記事
「北京の今日の大気汚染度はIII(1)級(軽微汚染)」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/06/iii1_5bc5.html

 2006年の北京の大気汚染指数の度数分布については、下記の記事を御覧ください。

(参考2)このブログの2007年8月22日付け記事
「北京の自動車交通制限と大気汚染指数」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/08/post_284f.html

 2007年の北京の大気汚染指数の度数分布については、下記の記事を御覧ください。

(参考3)このブログの2008年1月3日付け記事
「2007年の北京の大気汚染指数」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2008/01/2007_7776.html

 今年(2008年)も上半期が終わりましたので、2008年1月~6月の北京の大気汚染指数を度数分布にしてみたら下記のようになりました。

【2008年1月~6月の北京の大気汚染指数の度数分布】(■=1日)

000-020:■1
021-030:■1
031-040:■■■■■■■7
041-050:■■■■■■■■■9
051-060:■■■■■■■■■■■■■■■■■17
061-070:■■■■■■■■■■■■■■■■■■18
071-080:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■25
081-090:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■24
091-100:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■21
101-110:■■■■4
111-120:■■■■■■■■■9
121-130:■■■■■■■■■■10
131-140:■■■■■■■■8
141-150:■■■■■■6
151-160:■■■■■■6
161-170:■■■3
171-180:■■■■4
181-190:■■2
191-200:0
201-210:0
211-220:0
221-230:0
231-240:■1
241-250:0
251-260:■1
261-270:0
271-280:0
281-290:■1
291-300:0
301以上:■■■■4
合計=182日

 今までの傾向と同じように100以下と101以上のところで、明らかに不自然な「くびれ」が出ています。100以下は「良」、101以上は「軽微汚染」で、100以下を「青空」として、「青空」になる日を多くする、というのがオリンピックを控えての目標でした。確かに以前のデータに比べると、総体的には改善傾向は見られていると思います。ただ、以前にも書きましたが、上記の度数分布の形は、「青空」の日を多くする、という目標を達成するために数字の操作が行われている可能性を示している、と私には見えていました。

 今日、日本からの報道を見ていたら、北京市環境保護局の担当副局長は、7月10日に行われた記者会見で、記者から100以上のところの件数がへこんでいる現象について質問されてた際、「汚染指数が基準をわずかに上回りそうな時は、観測点周辺で応急措置を取る」と答えた、とのことです。

(参考4)アサヒ・コム(朝日新聞社)2008年7月11日1:56アップ記事
「『青空』増は人為的? 北京市『汚染ひどいと改善措置』」
http://www.asahi.com/international/update/0711/TKY200807100396.html

(参考5)「MSN産経ニュース」に載っている「共同通信」の記事(2008年7月10日21:44アップ)
「北京の青空に疑惑浮上 観測点で『応急措置』」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/160199

(注)これらのネット上の記事は時間が経過すると削除されます。おそらくこれらの記事は7月11日付けの紙面で記事になっていると思いますので、時間が経過してからこのブログを御覧になっている方は、新聞の紙面の記事の方を参照してください。

 北京市環境保護局の担当副局長が記者の質問に答えて「数字合わせ」のための操作をしていることをあっさり認める、というのも、素直と言えば素直、「あっけらかん」としていると言えば「あっけらかん」としているのですが、この北京市環境保護局副局長の発言を問題視するような中国の新聞の記事は私が見る限り見つかりませんでした。中国の新聞記者は「そういった『数字合わせ』はよくあることでニュース性がない」と判断したのでしょうか。それとも「当局の御指導」で記事にできなかったのでしょうか。

 いずれにしても北京市内の環境保護について「取り締まる側」の立場にいる北京市環境保護局がこのような「数字合わせの操作」をしている、という状態では、誰もまじめに環境基準を守ろうとしないのではないか、と私には思えてしまいます。それとも、こういった観測データが簡単にネット上で入手でき、記者会見で記者の質問に答えて北京市当局の担当者が正直に答えるようになった、ということに「中国の進歩」を見るべきなのだ、今の中国ではそれが限界なのだ、とあきらめるしかないのでしょうか。

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