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2008年6月27日 (金)

北京首都空港鉄道の料金や開通予定

 オリンピック開幕へ向けて、北京首都空港と北京市内を結ぶ北京首都空港鉄道がほぼ完成しました。6月25日には試運転車両に胡錦濤主席が乗り込み、進捗状況を視察しました。この北京首都空港鉄道についての今後の予定等が、胡錦濤主席の試乗に合わせて6月25日に発表になりました。

(参考)「新京報」2008年6月26日付け
「空港鉄道の料金、7月2日に公聴会で意見を聴取」
http://www.thebeijingnews.com/news/beijing/2008/06-26/021@072208.htm

 北京首都空港鉄道の駅は、地下鉄2号線(1980年代に開通済み)との乗り換え駅になる東直門駅、地下鉄10号線(まもなく開通予定)の乗り換え駅になる三元橋駅、それに空港第三ターミナル駅(国際線と一部の国内線)、空港第二ターミナル駅(一部の国内線)の4つになる予定です(最も古い第一ターミナルはごく少数の国内線用の航空会社しか利用しないため駅はない)。4駅約28.5km間を運行時間16分で結ぶ、とのことです。

 運行開始の日は「7月上旬」とのことで、まだ何日なのか確定した発表はされていません。しかも「7月上旬」に始まるのは「試験営業運転」なのだそうです。昨年10月に開通した地下鉄5号線でも「最初の1年間は『試験営業運転』」と銘打って開通しました。「試験営業運転期間」は10分間隔、2010年からは5分間隔、2017年からは4分間隔で運転する予定、とのことです。

 乗車料金は、どこで乗ってどこで降りても同じ統一料金で、1人25元(約375円)にするか1人30元(約450円)にするか検討中で、この料金体系は7月2日に行われる公聴会で意見を聞いてから決定する、とのことです。この料金は、北京首都空港鉄道の市内の始発駅である東直門駅を起点とすると、空港と市内を結ぶリムジンバスが1人16元(約240円)、タクシーだと高速道路料金も入れて67元(約1,005円)、自家用車を使った場合に掛かる費用(高速道路料金込み)で40元(約600円)以上なので、これらほかの手段との比較で、空港鉄道を使う人の数が、料金を25元の場合に年間1,220万人(空港利用者の16.1%)、30元にした場合は年間1,032万人と見積もって試算したもの、とのことです。

 私の感覚だと、市内の地下鉄の統一料金2元(約30円)、リムジンバスの料金16元(約240円)に比べると、この空港鉄道の料金はちょっと高過ぎると思います。「25元か30元かの案を提示して、公聴会を開いてから決める」ということになっていますが、30元を支持する理由はないので、たぶん最初から「25元ありき」で、形式的に公聴会を開くということなのでしょう(昨年の地下鉄料金改定の時も「客観的に見て片方の案しか選ぶ人がいないような二つの案を提示して公聴会をやるのは、結論ありきで、公聴会は形式的な意味しかない」と「新京報」の社説で批判されたことがありました。今回も同じような感じのようです)。

 「公聴会」の参加者は、北京市人民代表大会、北京市政治協商会議、北京市人民政府の関係部門、専門の大学などから選ばれた価格公聴会の常任の代表10人、消費者協会が推薦した消費者の代表11人、経営者代表4人からなる、とのことです。

 そもそも地下鉄統一料金の2元というのは、建設費用と比べたら安過ぎる値段であって、地下鉄の運営に当たっては政府が相当の資金補助をしていると思います。上のような料金の決め方は、市場原理に基づくものではなく、政府が政策的意図を持って決めたのは明らかです。大幅に市場原理を導入している、とは言いながら、公共部門においては政府が価格を決める、という現在の「中国の特色のある社会主義」の一端がわかる料金の決め方だと思います。この期に及んでまだ開通日が「7月上旬」とだけ示されて、何日かを確定して発表しない、というのも「中国的」と言えるかもしれません。

 私は、地下鉄乗り換え駅での「乗り換え勝手のよさ」がポイントだと思っています。飛行機で旅行に行く人は大きな荷物を抱えている人が多いので、乗り換え駅でエレベーターやエスカレーターが便利でないと、使い勝手が良くないからです。北京の地下鉄では、十字路の交差点の地下に作られた駅でも出口が3つしかない(ひとつのブロックには出口がない)といったふうに「使い勝手」が今ひとつよくないところが多いので、空港鉄道がどのような「使い勝手」なのか、ちょっと気になります。

 3月に開業した北京首都空港の第三ターミナルは、建物の長さが3kmに及ぶ、という世界でも最大級の巨大ターミナルですが、何回か使ってみて「使い勝手」は悪くない、という印象を私は持っています。空港鉄道も、「使い勝手」の良さを考慮した「お客に優しい」作りになっていることを期待したいと思います。 

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