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2008年6月20日 (金)

オリンピック期間前後の北京の交通規制

 「近日中に正式発表」と言われながら、なかなか発表されなかったオリンピック前後における北京市内の交通規制が6月19日に正式に発表されました。

(参考)北京市人民政府ホームページに掲載された2つの通告

「2008年オリンピック及びパラリンピック期間中における自動車の臨時交通管理に関する通告」
http://zhengwu.beijing.gov.cn/gzdt/gggs/t975714.htm

「2008年オリンピック及びパラリンピック期間中における北京ナンバー以外の車両の臨時交通管理に関する通告」
http://zhengwu.beijing.gov.cn/gzdt/gggs/t975716.htm

 正確な内容は上記のページ(中国語)を見ていただきたいと思いますが、私なりに簡単に解説すると、この交通規制の主な内容のポイントは以下のとおりです。

○規制期間:7月20日(日)0時~9月20日(土)24時(パラリンピック終了後まで)

○北京市内の交通規制の内容:
偶数日はナンバープレートが偶数の車だけ通行可
奇数日はナンバープレートが奇数の車だけ通行可

○上記のほか、中国の政府関係機関では、さらに70%の公用車の使用を削減する(奇数・偶数規制で減った車のさらに30%しか使えない)

○規制対象から除外される車:
警察車両、救急車等、バス、タクシー(ただし借り上げハイヤーは規制対象となる)、オリンピック関係車両、大使館車など

○対象区域
7月20日(日)~8月27日(水)24時:北京市の行政区域全域
(注)「北京市の行政区域」とは市街地とその周辺の郊外地区を含み、その面積は岩手県より広く四国より少し狭い程度のかなり広い面積のエリアです。

8月28(木)日0時~9月20日(土)24時:北京市の第5環状路より内側の市街地(第5環状路を含む)及び首都空港高速道路、八達嶺高速道路等

○上記のほか7月1日~9月20日の期間、北京ナンバーではない車両については、トラック等(生鮮食料品を運ぶため等のために特別に許可された車を除く)は北京市の行政区域全域に進入禁止、排ガス規制合格証のない車は乗り入れ禁止。その上で上記の偶数・奇数の規制に従う、などの規制が掛かる。

 現在、北京市内には、地下鉄1号線とその東の延長線上にある八通線、地下鉄2号線、地下鉄13号線、地下鉄5号線が開通しており、地下鉄10号線、北京首都空港線がオリンピックまでに開通予定です(開通予定日は未発表)。北京市の人口は、常住人口約1,700万人、戸籍人口約1,200万人ですが、そのうち「市街地」に当たる部分に住んでいるのがどれくらいか正確な数字はわかりません(北京市人民政府のホームページを見てもイマイチよくわからない)。たぶん、市街地に当たる部分に住む戸籍人口は約800万人程度と思われます。その人口からすれば、地下鉄の本数はまだ足りないので、バスやタクシーも含めた自動車は北京では重要な交通手段です(最近は、北京では、自転車の数はかなり減ってきています。自家用車族が増えたためです)。

 北京のタクシーの台数は非常に多く、普段は、どこでも気軽に「流し」のタクシーをつかまえることができるし、初乗り(2kmまで)料金が10元(約150円)と私たち外国人にとっては比較的安いので、結構気楽にタクシーを使っています。しかし、交通規制期間中は、タクシー自体は奇数・偶数番号制限の対象にはなりませんが、普段自家用車や会社の車を使っている人の半分がみんな一斉にタクシーを使うことになるので、タクシーをつかまえることが非常に難しくなるのではないか、と心配です。普段でも雨が降り出すと、いつもは自転車に乗っている人が一斉にタクシーをつかまえようとするので、タクシーがつかまらなくなるので、そういった状態が2か月間続くのではないか、と思われるからです。

 その上、オリンピック期間中は、中国全土や外国からオリンピック競技を見に来るお客さんが増えるので、オリンピック期間中は、地下鉄で行けない場所に自由に移動しようとするのには、相当苦労しそうです。もちろん網の目のような路線を走っているバスは使えますが、交通規制期間中はバスも混みそうだし、路線がかなり複雑なので、慣れない人にはバスは使いにくいのではないかと思います。

 7月~9月の3か月間は、北京市内の建築工事は中止になり、そこで働いている農民工の人たちは故郷に帰される、と言われているし、8月末までは大学は夏休み期間中だし、多くの企業や工場も休むと思われるので、交通規制期間中は、意外に北京市内を移動する人の数は多くないのかもしれません。

 ということで、7月20日~9月20日までの間、北京市内の交通事情がどういう状況になるのか、今からはほとんど想像ができません。

 なお、大幅な交通規制により、多くの企業の活動に影響が出るわけですが、そういった企業活動への影響に対する政府からの補償はありません。ただ、交通規制に違反しない限り、7月~9月の3か月間は、自動車を持っている人に掛かる車両船舶税と道路補修税が免税になるのだそうです。これによる政府の減収は13億元(約200億円)の見通し、とのことです。ラジオでは、実質的な規制は1か月(2か月間、奇数・偶数規制が続くので、実質的に車を使えないのは1か月間だけ、という意味)なのだが、免税期間は3か月ある、と盛んに宣伝しています。つまりは、それで我慢しろ、ということなのでしょう。

 ちょっと心配なのは、一般のトラックも奇数・偶数規制の対象になることで、物流に影響が出るのではないか、ということです。食料品などについては、特別に許可を受けたトラックが運ぶので市民生活には影響は出ない、ということのようですが、2か月間という期間はかなり長いので、市民生活にどういう影響が出るのか、ちょっと心配です。

 いずれにせよ、この交通規制は「オリンピックとパラリンピックの期間中の交通の順調な運行と大気の状況を良好に保つため」に行うものだ、とのことです。中国では、多くのイベントで、「こんなんでうまくやれるのだろうか」というような準備状況であっても、実際にやってみると、終わってみればそれなりにきちんとできた、というケースが多いので、オリンピックやパラリンピックもうまく行くだろうと私は思っています。ただ、そのウラで、市民の間に日常生活の上での不満が溜まることのないようにして欲しいなぁ、と願っています。

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