« 北京で感じる四川大地震 | トップページ | がれきの上に立てるNGOの旗 »

2008年5月25日 (日)

四川大震災対応:「偉大な変化」

 5月24日発売の経済専門週刊紙「経済観察報」(2008年5月26日号)の「観察家(オブザーバー)」のページに「偉大な変化」と題する中国社会科学院近代史研究所研究員の雷●(Lei Yi)氏(●は「臣」へんに「頁」)の文章が掲載されていました。この文章では、既に中国の内外のメディアが指摘されていることですが、今回の四川大地震に対するメディアによる報道のされ方と国際援助の受け入れに対する対応は、1976年7月の唐山地震の時とは全く異なっている、と指摘しています。

 雷●氏は、死傷者の数や悲惨な被災地の状況などの現実をありのままに直視することは、以前は人心を動揺させ社会を不安定にすると考えられていたが、今回はむしろ逆で、未曾有の災害の真実が迅速に伝えられたことが、多くの人々による執政者に対する強い支持と被災者に対する同情、救援者に対する尊敬と感動を呼び起こし、人々を積極的にいろいろな方法による救援・支援活動に参加させるように後押ししている、と指摘しています。

 雷●氏は、1976年の唐山地震の後の人民日報の報道振りを細かく分析して、当時は、全ての報道は、毛沢東主席と党中央の指導の下で復旧作業が行われていることのみが強調され、死傷者数などは「国家機密」扱いにされ、「生命」とか「財産」とかいう言葉すら語られていなかった、と指摘しています。当時は、「自力更正」の考え方に基づき、国際社会からの援助も断っていました。雷●氏は、当時は人々の生命すら「政治」「政権」「闘争」に従属していた、と指摘して、当時の執政観念を批判しています。雷●氏は「今回は違う」と強調しているわけですが、それは彼が「1976年に逆戻りしてはならない」と強く主張していることを意味します。

 この種の論調は、中国のいろいろな新聞に書かれています。中国の人々自身は、この歴史的な大災害により「自分たちの社会は変わったのだ」ということを強く自覚したのではないかと思います。

 今日(5月25日)夕方、また大きな余震が発生しました。この余震による死傷者も出たようです。ダムの崩壊や「堰き止め湖」を作った土砂の決壊などによる二次災害も懸念されています。まだ500万人以上の人々が住む家がなく避難生活を強いられています。復興への道程はまだまだ遠いと思いますが、中国が、この未曾有の災害を乗り越えて、次のステップに脱皮して行くことを信じたいと思います。

|

« 北京で感じる四川大地震 | トップページ | がれきの上に立てるNGOの旗 »

中国の報道機関」カテゴリの記事

中国の民主化」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 北京で感じる四川大地震 | トップページ | がれきの上に立てるNGOの旗 »