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2008年5月 4日 (日)

「新京報」北京大学創立110周年記念特集

 今日(2008年5月4日)付けの北京の大衆紙「新京報」では、昨日、胡錦濤主席が北京大学を訪問したことを報じるとともに、北京大学創立110周年記念特集として、北京大学の歴史や北京大学卒業生の有名人に対するインタビューなどを掲載していました。

 胡錦濤主席の北京大学訪問の記事では、北京大学人文学部の袁行霈教授が胡錦濤主席との座談会で次のようなことを話したことが載っています。

○大学は非常に自由な学術環境が必要であり、自由な研究ができる前提の下でこそ多くの成果が得られるのである。

○(政府による)これまでの物質的な支援のほか、さらに重要なのはもっと多くの自主権を大学に与えることである。

○民族の文化を伝承し、人の理念と精神的な面を向上させるため、人文社会学科をさらに重要視ことを希望する。

(参考1)「新京報」2008年5月4日付け記事
「胡錦濤主席、北京大学を視察」
http://www.thebeijingnews.com/news/beijing/2008/05-04/018@074558.htm

 この袁行霈教授の話は、胡錦濤主席がライバル校である清華大学の理工系(水利技術学科)卒であることを意識しているものと思われます。また、この日の「新京報」の北京大学創立110周年特集号では、昨年11月に撤去された「三角地」について、歴史的には「北京大学の民主の壁」と呼ばれてきたことを紹介するなど、「新京報」の記事自身が「自由な学術環境」「大学の自主権」を重要視した内容になっていることが注目されます(ただし、さすがに「北京大学の歴史」「三角地の歴史」の中でも1989年のことについては触れていません)。

(参考2)このブログの2007年11月3日付け記事
「北京大学の『三角地』掲示板の行方」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/11/post_b865.html

 なお、昨日の胡錦濤主席の北京大学訪問については、「人民日報」で1面のほとんど全てをこれに関連する記事にあてるなど、大きく取り上げています。

(参考3)「人民日報」2008年5月4日付け1面
「心から深い気持ちを北京大学キャンパスに寄せる~胡錦濤総書記、北京大学視察の概要~」「北京大学の教授・学生代表との座談会における講話」
http://paper.people.com.cn/rmrb/html/2008-05/04/node_17.htm

 5月4日は「五四青年節」で、北京大学は1919年の「五四運動」の発生の地ですから、5月4日付けの新聞で「北京大学特集」を組むのは別におかしくはないのですが、扱い方がやけに大きいなぁ、ということと「新京報」が「自由な学術環境」「大学の自主権」に重きを置いた記事にしていることが私の印象に残りました。

 今、北京大学と清華大学は、北京市の中関村地区で隣接して立地していて、中国のトップを行く大学としてライバル関係にあります。最近は、輩出する国家指導者の数やいろいろな学術研究の成果では清華大学の方が上だ、と考える人も多いのですが、「中国を引っ張ってきた」という歴史の重みとそれに裏打ちされた自負とプライドにおいては、まだまだ北京大学の方が上だ、と思っている人が多いのかもしれません。今日の「人民日報」や「新京報」の記事を見て、そんなことを思いました。

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