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2008年3月30日 (日)

フィードバック・システムが働かない社会

 チベット問題は、中国の国内問題だと思うので、私はチベット騒乱問題そのものに対するコメントは控えたいと思います。今回のチベットでの騒乱について、中国政府はダライ・ラマ14世側からの煽動があったと主張し、ダライ・ラマ14世は煽動していない、と言っています。煽動があったにしてもなかったにしても、かなり多数の人が参加した騒動があったのは事実ですから、騒動を起こそうと思うほど現状に不満を持った人たちがチベット自治区や周辺の地域にかなりの数いた、ということは隠しようのない事実だと思います。

 一方、解放後まもなく60年、改革開放政策により中国経済全体の急成長が始まって30年経つというのに、なぜそういう不満を持った人たちがまだいるのか、についての分析の評論が、残念ながら中国のマスコミ上には登場していません。中国のマスコミには「ダライ集団の煽動はけしからん」「西側の報道は事実を歪曲している」といった主張ばかりが載っています。

 事件・事故や何らかの社会的問題があった場合、その原因を分析し、今後そのようなことが起きないようにするにはどうしたらよいか、を分析し提言するのがマスコミの重要な使命であり、そういった各種の分析・提言に従って少しでもよい方向に向かうように政策決定をするのが政治の使命です。こういったマスコミや政治の役割は、社会のフィードバック・システムとして重要なものです。

 政府がマスコミに対してどのような政策を採るのか、政治が住民による直接選挙によって選ばれた議員によって運営されることにするのかどうか、など具体的な政治システムについては、それぞれの国にそれぞれの事情があり、どういった政治システムを採用するのが最もよいのかについては、各国の内政問題ですので、それについても、私はコメントは控えたいと思います。ただ、一般論として申し上げれば、フィードバック・システムが働かない社会は、どこかの時点で必ず行き詰まることは間違いない、と私は思っています。

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