« 旧暦1月15日の夜の爆竹 | トップページ | 今でもまだやっている大衆の前での野外裁判 »

2008年2月23日 (土)

農薬汚染食品事件:日系企業が原因との報道

 10人の中毒患者を出した殺虫剤の成分が混入した中国製冷凍ギョーザの事件に関連して、日本では、今、中国で加工されたいろいろな食品に対する検査が行われているため、最初に中毒患者を出した冷凍ギョーザとは別の中国製の加工食品から、微量の農薬が検出されるケースが相次いで報道されています。これら10人の中毒患者を出したケースとは別のケースのいくつかについて、今日(2月23日)付けの人民日報は、中国国家品質検査検疫総局の発表として以下のような報道しています。

○中国国家品質検査検疫総局は、日本側関係機関から、中国から日本に輸出されたニラ肉まんとニラエビ揚げ肉まんから、それぞれ0.45ppm~0.66ppmと0.04ppm~0.08ppmのメタミドホスが検出され、アスパラガスの肉巻き揚げから1.2ppmのホレートが検出されたとの通報を受けた。中国側はこの件を非常に重視し、直ちに調査を行った。

○国家品質検査検疫総局が現在までに得た調査結果によると、上記のニラ肉まんとニラエビ揚げ肉まんを作った会社及びアスパラガスの肉巻き揚げを作った会社は、両方とも中国国内に設立された日本資本100%の日系企業(日系独資企業)で、生産工程は日本の基準で管理され、日本側の会社の職員が工場に駐在して監督を行っていた。

○この事件は、上記の日系独資企業による原材料の野菜を購入する際のチェックが不十分だったことが原因であった。

○従来、日本側は、肉まんやギョーザなどの製品に関しては、残留農薬量の量に対する制限や検査実施を要求していなかったが、今回、初めて検査を行ったものである。国家品質検査検疫総局は、検討を行い、日本側関係機関と技術基準について情報交換を行い、検査作業を行っていく方針である。

○冷凍ギョウザ中毒事件に関しては、中国公安部が20日、担当官を日本に派遣して、日本の警察当局と、情報交換等を行った。中国政府としては、冷凍ギョウザ中毒事件に関しては、徹底的に捜査する決意である。

(参考)「人民日報」2008年2月23日付け記事
「日本に輸出した肉まんについては、日系独資本企業の検査が不十分だったことが原因」
http://paper.people.com.cn/rmrb/html/2008-02/23/content_44973086.htm

 この記事に書かれていることは間違いではないし、中国側もこの記事で言及しているケースについては、中国における残留農薬が原因であることを認めているわけですが、見出しや書きぶりからすると、「日系企業とそれを監督していた日本の企業が悪い」という印象を強く受ける記事です。こういうふうな書きぶりをされると、ウラの意味として「中国側当局は全く責任はない」ことをこの記事は主張したかったのだ、と感じてしまいます。有毒な農薬に汚染されている野菜などが流通していることに対する中国当局としての反省が全く感じられない記事だと私は思います。

 また、最後の項目は、今回の騒ぎの発端となった10人の中毒患者を出したケースについて述べたものであるのだけれど、一読した読者からすると、異なるケースについて述べたのかどうかわかりにくい書きぶりになっています。こうやって並べて記述されると、意地悪く解釈すれば、最後の部分は、「中国公安部が日本へ行って日本の警察と情報交換を行った」のは日本の企業が悪いから中国の公安部がわざわざ日本へ行ったのだ、との印象を読者に与える意図があるのではないか、とも思えてしまいます。

 もともと中国共産党の機関誌であり、「党の舌と喉」の本家本元である「人民日報」に客観的で公平な報道を期待すること自体無理なのはわかっているのですが、どうも「みんな日本が悪い、中国は悪くない」という方向に中国人民の世論を誘導しようとしているように見えて、私は釈然としません。

 それは置いておくとしても、上記の記事は、やはり残留農薬に汚染された野菜が中国国内に出回っていることを中国国家品質検査検疫局が認めたことを意味しますので、毎日、中国産の野菜しか食べることができない北京に住む私にとっては、気の重い記事であることは確かです。この間、春節で日本に帰ったときに人間ドックを受けてきましたが、変な結果が出ていないことを祈るばかりです。

|

« 旧暦1月15日の夜の爆竹 | トップページ | 今でもまだやっている大衆の前での野外裁判 »

中国の報道機関」カテゴリの記事

中国の民主化」カテゴリの記事

北京オリンピック」カテゴリの記事

日中関係」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 旧暦1月15日の夜の爆竹 | トップページ | 今でもまだやっている大衆の前での野外裁判 »