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2008年2月 3日 (日)

中国大雪被害:広州駅の群衆内で1人が圧死

 中国中南部の大雪は各地にいろいろな被害をもたらしています。広東省広州市の広州駅では、ただでさえ春節(旧正月)を故郷で過ごそうという帰省客が多く集まる時期に、大雪の影響で鉄道のダイヤが大幅に乱れたため、数十万人単位の人々が集まっています。

(参考1)「チャイナ・ディリー」2008年2月2日付け1面トップ記事
「胡錦濤主席、全ての力を(雪害対策に)投入せよ、と指示」
http://www.chinadaily.com.cn/china/2008-02/02/content_6437189.htm

 公安当局も集まる群衆を整理するのに必死になっていますが、昨日(2月1日)、遂に一部の群衆が将棋倒しになり、広州市の時計工場で働く湖北省出身の女性1名が死亡(そのほかに数名がケガ)という事故が起きてしまいました。この時、広州駅には40万人の人々が集まっていたそうです。

(参考2)ネット版「人民日報」(人民網)2008年2月3日00:54アップ記事
「広州駅で旅客1名が圧死」
http://society.people.com.cn/GB/41158/6859662.html

※上記二つの記事は写真付きですので、英語や中国語が読めなくても現場の状況がよくわかると思います。

※※2月1日15時に将棋倒し事故が起き、2月2日0時にこの事故に遭った女性が病院で死亡した事件について、2月2日夜11時になってようやく発表する、という広州市公安当局の対応には、いささか問題があると私は思います。今の中国においては「発表しただけマシ」と言えるのかもしれませんが。

 今日(2月3日)も中央電視台第一チャンネルでは、午前中、大雪被害に関する特別報道番組を放送していました。その中で8日間以上に渡って断水と停電が続いている湖南省のチェンチョウ(●州)市(Chenzhou:●は「林」へんにおおざと)付近の高速道路インターチェンジからの生中継のレポートもやっていましたが、片方の車線は大型トラックが数珠繋ぎで全く動いていない様子でした。温家宝総理は、このチャンチョウ市のある湖南省南部が中国の南北と東西を結ぶ交通の要衝であることから、人民解放軍を動員することはもちろん、大雪被害のない北方の電力関係者をこの地方に派遣して、まず湖南省南部の復旧を図るよう指示した、とのことです。このほかにも寒波・大雪の被害は貴州省、江西省など被害は広範囲に渡っているのですが、まず交通のネックのポイントとなっている地区を優先的に復旧させよう、という方針のようです。

 昨日(2月2日)夜の中央電視台「焦点訪談」では、湖南省長沙(チャンシャー)空港で、降った雨(みぞれ)が滑走路上で完全に氷と化し、スケートリンクのようになった滑走路を復旧させようとしている空港職員の作業の様子が伝えられていました。

 中国の地理にあまり慣れていなくて地名を言われてもピンと来ないかたはぜひ地図を御覧になっていただきたいのですが、湖南省、貴州省、江西省などは、緯度的には沖縄から台湾北部に当たる地方で、これらの地方で大雪や着氷による被害が出ている、ということは、極めて異常なことです。2月2日の香港の最高気温(最低気温ではない)は摂氏プラス10度だったそうで、今回の寒波がいかに強烈であったかがわかると思います。

 今は、鉄道や高速道路が通っている地方の中核都市について多く報道されていますが、おそらく、高速道路や幹線道路からかなり内陸に入った農村部では「陸の孤島」となっている地区が多数あるのではないかと想像されます。それら内陸部では、まだ情報が収集しきれていないので、今回の寒波の被害は、集計してみると今後もっと大きくなる可能性があります。今回の寒波・大雪・着氷被害は、経済発展により高速道路網や電力網が発達した後の中国にとって最大の大規模自然災害と言えるもしれません。例えば、大雪で高速道路が渋滞すると、渋滞途中のトラックがガス欠を起こして立ち往生して、さらに渋滞に拍車をかける、ということがよく起きますが、中国では(特に南部地方では)そういったことを経験したことがたぶんないので、対応に苦慮しているのではないかと思われます。

 北京オリンピックまではまだ半年ありますので、今回の寒波・大雪がオリンピックに影響するとは思いませんが、今の中国は、全国的に「オリンピックどころではない」といった雰囲気になっています。

 この寒気団は、今日(2月3日)になって日本上空に移動し、東京などでも雪が降って雪が積もっているようですが、日本列島は黒潮や対馬暖流に抱かれているので、寒気団が襲ってきても、これら海の影響によりかなりマイルドになっていると思います。その意味で、日本は、中国に比べれば、自然環境の面で非常に恵まれた国です。中国を襲った寒気団は、通常1~2日後に日本へ到達するので、日本のマスコミは中国のこういった寒波襲来のニュースに対して、もうちっと関心を持ってよいと思います。

 なお、中国では、毒物入り冷凍ギョーザ事件については、ほとんど報じられていませんが、こういった寒波・大雪被害の中で人心を不安にするような情報はできるだけ広めたくない、という当局の意図が働いているのかもしれません(春節(小正月)を家族みんなでギョーザを食べながら迎える、というのが、中国の伝統的な慣習ですので)。今回の寒波・大雪被害は相当な規模のものであるので、私は、個人的には、今回に限って言えば、パニックを防止する、という観点で、冷凍ギョーザ事件に関する情報管理もある程度やむを得ないかなぁ、と思っています。 

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