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2008年1月 6日 (日)

首都鉄鋼4号炉停止・経済損失26億元

 今日(1月6日)付けの「新京報」によると、北京にある首都鉄鋼の4号高炉が昨日(1月5日)、35年2か月に及ぶ連続生産の役割を終え、停止した、とのことです。

(参考)「新京報」2007年1月6日付け記事
「4号高炉にお別れ、首都鉄鋼400万トン減産へ」
http://www.thebeijingnews.com/news/beijing/2008/01-06/018@075422.htm

 これは2005年から始まった北京にある首都鉄鋼製鉄所の停止計画の一環で、この後も段階的に溶鉱炉を停止して、2010年には完全に操業を停止する予定です。首都鉄鋼は、河北省などにある別の製鉄所での生産を続け、北京の製鉄所で働いていた労働者は、これらの別の製鉄所に移らせるか、早期希望退職を募って退職させる予定とのことです。

 この首都鉄鋼製鉄所の停止は、北京オリンピックへ向けた排出ガス対策の一環で、オリンピック期間中には首都製鉄の北京の製鉄所は、排出ガス量を通常より70%以上削減する予定である、とのことです。

 この北京の製鉄所の操業停止は、古いエネルギー効率の悪い製鉄所を効率のよい新しいものに代える、その機会に北京に集中した工場を別の場所に展開する、といった意味もありますので、オリンピックのためだけに行われているわけではありませんが、北京オリンピックの開催のための大気汚染改善を大きな目的にして行われていることは間違いありません。首都鉄鋼は、歴史のある国有企業ですから、オリンピックという国家的事業を前にしてその役割を果たすことも使命のひとつなのでしょう。ただ、生産停止による経済損失が26億元(約390億円)あることを考えると、こういうことができるのは首都鉄鋼が国有企業だからであって、私営企業や外資系企業では、いくら国家的行事のための政府の指令とは言っても、こういった大胆な政策的指示は受け入れないと思います。ある意味で、この件は、中国の基幹産業においては、まだまだ社会主義的要素が色濃く残っていることを現していると思います。

 この首都鉄鋼の件も含めて「北京オリンピック成功のため」という名目の下で、いささか無理強い的な政策が進められつつあるようなのが、ちょっと私は気になっています。オリンピックは国民みんなが喜んで迎える行事であるはずです。あまり「オリンピックのために」という名目で強引な政策を進めることにより、「オリンピックさえなければ」という反発心が人々の間に芽生えるようなことがなければよいが、と私は願っています。
 

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