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2008年1月 2日 (水)

2007年の中国の税収は大幅アップ

 不動産や株の高値続きが「バブルではないか」と多くの人が言っているにもかかわらず価格が下がらない背景には、「最後は中国政府が何とかするに違いない」という変な「安心感」みたいなものがあるからだ、と言う人がいます。中国人民銀行の幹部は、こういった安易な考え方を批判していますが、「中国政府は意外に『お金持ち』だ」と思っている人が多いのは確かなようです。

 今日(1月2日)付けの「新京報」が報じている国家税務総局が1月1日に発表した速報値によると、2007年の全国の税収入(関税及び耕地占有税を除く)は、4兆9443億元(約74兆円)で、前年よりも31.4%の増だったのだそうです。この税収入の額は、中央政府と地方政府の税収の合計ですが、つい先日閣議決定された日本の平成20年度(2008年度)予算の政府原案では国の税及び印紙収入は53兆5540億円と計上されていますから、この中国の税収の金額はかなり大きな金額であると言えます。

(参考1)「新京報」2008年1月2日付け記事
「2007年全国の税収が4兆9442.73億元に達した」
http://www.thebeijingnews.com/economy/2008/01-02/014@111725.htm

(参考2)日本の財務省のホームページ
「平成20年度予算政府案」-「平成20年度一般会計歳入歳出概算」
http://www.mof.go.jp/seifuan20/yosan004.pdf

 なお、2006年決算ベースでみると、中国の全国税収入のうち56.2%が中央政府、43.8%が地方政府の収入となっていますので、中央政府の税収入ベースで言うと、おそらくまだ中国の方が日本よりは金額は少ないと思われます(ただし、日本の場合、4割近くが国債の償還に充てられるので、実際に使われる中央政府のお金としては日本と中国とはだいたい同じ程度、と言ってもいいかもしれません)。

(参考3)中国財政部のホームページ
「財政数据」-「2006年全国財政収入決算表」
http://www.mof.gov.cn/news/czsj2005/Book1.htm

 一方、中国の中央銀行である中国人民銀行が持っている黄金と外貨の準備高は、黄金が1929万トロイオンス、外貨準備が1兆4336億ドルです(2007年9月末現在)。日本の黄金準備2460万トロイオンス、外貨準備9461億ドル(2007年11月末現在)と比べても決して引けを取りません(というか、中国の外貨準備高は、人民元レートを低く抑えすぎた結果であり、過大すぎる、と各国から指摘されています)。

(参考4)中国人民銀行ホームページ
「調査統計」-「統計数データ」-「黄金及び外貨準備高表」)
http://www.pbc.gov.cn/diaochatongji/tongjishuju/gofile.asp?file=2007S09.htm

(参考5)日本の財務省のホームページ
「外国為替・国際通貨制度、国際協力」-「統計」-「外貨準備等の状況」
http://www.mof.go.jp/1c006.htm

 こういう数字を見ていると、日本と比較しても、中国政府の財政的基盤はしっかりしており、中国では、何か起こりそうになったら、政府が支えてくれるだろうし、支える能力も十分にある、と思っている人が多いのでしょう。ただ中国人民銀行の幹部が懸念しているように、そういった「いざというときには政府が何とかしてくれるさ」という安易な考え方は、市場メカニズムによる調整機能を狂わせる可能性があります。また、政府による公共工事や政府調達に頼った産業構造は、結果的には各企業の自立能力が育つのを阻害します。中国は「社会主義の道」を歩む以上、政府によるコントロールが今後も掛かり続けることになりますが、そういった環境の中で、中国の経済活動に参加する各プレーヤーが政府による支援なしで国際的な自由競争の場で勝ち残れる力を育てていくことができるかどうかが、今後を占うカギになると思います。

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