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2007年10月 9日 (火)

安全設備とコスト

 国慶節連休の最後の日曜日、街を歩いていたら、路線バスが別のバスに追突した交通事故の現場の前を通りかかりました。後ろから追突したバスの前方の乗降口の部分が完全につぶれて、乗客が降りられないような状態になっていました。このバスの乗客は、駆けつけた警察官などの助けを借りながら、窓から一人づつ脱出していました。翌日の新聞での報道によると、この事故では、双方のバスの乗客25人がケガをしたそうです。

(参考1)「新京報」2007年10月8日付け記事
「二台のバスが追突、25人の乗客が負傷」
http://www.thebeijingnews.com/news/beijing/2007/10-08/014@083940.htm

 後方から追突したバスには「非常口」がなかったために、前方の乗降口が衝突でつぶれて使えなくなると、乗客がバスの中に閉じこめられてしまって、外に出られなくなっていたのでした。

 中国では、非常口のないバスは、数多く走っています。このブログの10月3日付け記事で書いたバス火災のケースでも、バスに非常口がなく、乗客の乗り降りは前方のドア1つしかありませんでした。出火したのが運転席のすぐ後ろの座席にあったに荷物だったことから、後方座席の乗客はバスの前方のドアから外に脱出することができず、結果的に死者27名という大惨事になってしまったのです。

(参考2)このブログの2007年10月3日付け記事
「重慶でバス火災27人死亡・放火か?」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/10/27_7d11_1.html

 詳しい統計を見たわけではありませんが、中国では「いざというときのための安全設備」が付いていないために、大事故になってしまうケースが結構多いのではないかと思います。「いざというときのための安全設備」は、「いざというとき」にならなければ不必要な設備ですので、コストダウンの対象となりやすく、きちんと設置されていないケースがあるからです。中国では、一般に物価は安いですが、一方では「安全設備が十分に備わっていないために起こるリスク」は常に覚悟しておかなければならない、と私は思っています。

 昨日は、私の勤務先の隣のビルでボヤがあり、数百人が避難する騒ぎがありました。実際に火の手が上がったわけではなく、新聞の報道によると、原因は調査中だが、排煙筒の中に溜まった油分が過熱して煙を出したのではないかと考えられているようです。このビルのボヤ騒ぎが、ビルの安全設備に関係があるのかどうかはわかりませんが、二日連続で新聞ネタになるような交通事故やビルの火事騒ぎに遭遇したので、私は、中国にいると、交通事故や火事の現場に自分が居合わせる確率が日本にいるときよりもかなり高いような気分になりました。中国では、もともと、自分の安全は自分で守る、というドライな考え方の人が多いので、使うことがあるかどうかわからない安全設備にコストを掛けたものを高い料金を払って利用するよりも、安全設備は十分ではないかもしれないけれども、安い料金で利用することの方を選択する人が多いのかもしれません。これも文化の違いのひとつだと思いますが、中国で生活するためには、そういったリスクがあることを覚悟した上で生活する必要があるのだと思っています。

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