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2007年10月 8日 (月)

集中する連休を今後どうするのか

 今日10月8日の月曜日から中国は国慶節の連休明けで再び始動しました。中国の法定休日は、春節(旧正月)、労働節(メーデー)、国慶節と新暦の正月元旦の4回しかありせん。このうち、春節、労働節、国慶節は、基本的に1週間ぶっ通しで休む大型連休となります。春節はかなり以前から1週間程度休む人が多かったのですが、労働節と国慶節は、もともとは3日程度の連休でした。しかし、ここ10年くらいの経済発展の中で、前後に代替出勤日を入れたりして、労働節、国慶節についても土日と合わせて1週間程度続けて休むことが多くなったのです。

 日本や欧米のようにいろいろな月に三連休が分散している、というスタイルではないので、中国の場合、この三つの大型連休(黄金週)に旅行する人が集中し、鉄道や飛行機、各地の観光地は、どこも満杯になります。特に労働節と国慶節は、春と秋の気候のいい時期なので、多くの人が観光地に遊びに行くため、この期間に中国で観光をしようと思う人は、かなりの覚悟が必要となります。

 今日(10月8日)行われた全国休日観光関連部署連絡会議で報告された統計によると、今年の国慶節の連休(10月1日~7日)に繰り出した観光客は延べ1億4,600万人日で対前年比9.6%増、このうちホテル等の宿泊施設に宿泊したのは延べ3,761万人日で対前年比14.8%増、とのことです。この数字は、広範な中国人民が経済的に余裕ができ、連休中に観光に繰り出す人が多くなってきていることを現していると思います。

(参考1)中国旅遊局のホームページ「中国旅遊網」の「ニュース動向」2007年10月8日付け
「10月1日の国慶節週間の観光客は延べ1.46億人日」
http://jp.cnta.gov.cn/news_detail/newsshow.asp?id=A20071081725596275908

 休みが年3回の大型連休に集中していることについては、中国国内でも問題視する声が以前からあります。ただでさえ人口の多い中国で、休みの日を年3回の大型連休にまとめてしまうと、旅行に行こうと思う人が3回の連休の時にだけに集中してしまい、連休期間中は、鉄道・飛行機等の輸送手段、ホテル等の確保が非常に難しくなるほか、多くの観光地では「連休特別料金」として、普段より高い入場料を設定したりするケースが多くなるからです。10月7日付けの「新京報」に掲載されていた論評で、旅行学者の呉琦幸氏は、中国の有名な観光地の入場料の例として、武夷山ではいつもは220元(約3,300円)のところが連休中は250元(約3,750円)に、五台山ではいつもは90元(1,350円)のところが連休中は168元(2,520円)に値上がりしていた、という新華社の報道を引用して、「本来、広く民衆に提供すべき国家的な自然資源を金を作り出す器械にしていいのだろうか。」として、こういった傾向を批判しています。

(参考2)「新京報」2007年10月7日付け評論「一家之言」
「黄金週には、そんなに大きな存在価値があるのだろうか?」(呉琦幸)
http://www.thebeijingnews.com/comment/zonghe/1044/2007/10-07/014@080555.htm

 1年間の休みの日数は変えないままで、小さな連休に分散すれば、旅行するチャンスも分散され、こうした弊害は防げる、というのが、大型連休解体論者の言い分です。ただ、呉琦幸氏は、大型連休解体の最大のネックは、多くの地方の観光地や地方政府にとって、大型連休期間中の収入の魅力が大きくなってしまっていることだろう、と指摘しています。地方にとって、一種の既得権益と化した今の大型連休制度は、変える場合にはかなりの抵抗が予想されるので、今さら変えるのはかなり難しいかもしれません。

 今、中国では、「お金持ち」と言われている人たちは、大型連休中は、だいたいは海外旅行に行くそうです。従って、中国の大型連休をこのままにするのか、いくつかの小さな連休に分散するのか、ということは、最近、中国からの観光客を当てにし始めている日本の観光地にも影響がある話だと思います。

 私の個人的な感覚から言えば、日本のように1か月に1度くらい三連休があった方が便利だと思います。疲れた時は休めるし、元気がある時は遊びに行けるからです。「祝日」がなく、5か月間も一週間の休みは土日だけ、という週が続くのは、結構、疲れます(しかも、駐在員の場合、土日に自分の出張や日本からの出張者の対応があるので、土日がつぶれるケースが結構あるので、その意味でも、祝日が分散していた方がありがたいです)。

 どういった休みの取り方が社会にとって最も効率的か、といった議論をしている、ということは、余暇の過ごし方を議論している、ということですから、中国人民の経済レベルが既に一定のところにまで達している証拠だ、ということはできると思います。ただ、ほかのいろいろな社会システムと同じように、中国の休日の取り方は「世界標準」とは、ずれている感じがするので、中国が世界の国々の中に同じような形で溶け込んで行くためには、大型連休のあり方も、今後、どこかの時点で調整をしていく必要があるのではないか、と私は思っています。

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