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2007年10月 1日 (月)

2007年10月1日:国慶節の天安門前広場にて

 今日、2007年10月1日は、中華人民共和国成立58周年の記念日(国慶節)です。中国では連休の初日です。私も、かなり涼しくなってきた秋の雨上がりの曇り空の下、ぶらぶらと天安門前広場を歩いてきました。中国人民の多くの皆さんも、だいたいみんな同じようなことを考えているため、天安門前広場周辺は、ものすごい人出でした。日の出の時刻に行う国旗掲揚式には、十数万人の人が集まったそうです。私は、午前10時半頃に行ったのですが、その時も、天安門前広場周辺には、ざっと見て十万人以上の人々がいたと思います。

 国慶節の天安門前広場と言えば、ひな壇に中国共産党の指導者が並び、その前をミサイルや戦車を先頭にして人民解放軍の兵士が行進する、ひな壇の指導者の並ぶ順序によって、今後の指導部の人事を予測する、などという時代が、かつてありました。いつまでそういうことをやっていたのかは記憶が定かではありませんが、少なくとも20数年以上前の1980年代にはそういう行事はやらなくなりました。今の国慶節は、そういう仰々しい行事のない、年に3回ある大型連休のひとつです(他の二つは春節(旧正月)と労働節(メーデー))。天安門前広場は、花壇や臨時の大噴水、万里の長城や天壇公園をかたどった飾り物が並び、地方からの「お上りさん」がごった返す人並みの中で記念撮影をする、そういった場所になっています。

 十万人オーダーの人が集まるので、人波の整理は大変です。狭いところに大群衆が集中して将棋倒しのようなことが起きては困るので、警官や城管(都市管理局)の職員が大勢出て、群衆の整理をしていました。天安門前広場に最も近い地下鉄1号線の「天安門東」駅と地下鉄2号線の「前門」駅は、ホームに人があふれかえると非常に危険なので、国慶節期間中は、駅自体が閉鎖になり、地下鉄の列車は通過になります。人々は、それぞれ1つ手前の駅で降りて、あとは「歩き」で、天安門前広場に来ます。従って、好むと好まざるとに係わらず「ぶらぶら歩く」程度の速さでしか歩けないのです。

 中国は、今、様々な社会的問題を抱えていますが、少なくとも今日の天安門前広場に集まった人たちを見る限り、中国はいたって平和です。花壇や噴水がきれいで、みんな休日を楽しんでいる様子でした。人波を整理する警官や城管職員にも厳しい雰囲気はありませんでした。ただ、地下鉄は、あまり乗り慣れていない「お上りさん」がギュウギュウ詰めになって乗っているので、いささか「殺人的」な雰囲気ではありました。北京の地下鉄1号線、2号線は6両編成なので、利用しようとする人数に比べて輸送能力が少な過ぎるのです(東京の場合も、最初にできた銀座線と次にできた丸の内線は6両編成です)。

 私は今日は普段着にリュックを背負って、手には街のスタンドで買った「新京報」を持って歩いていました。たぶん外国人には見えなかったと思います。天安門前広場の東側は中国国家博物館ですが、その東側は公安部です。公安部の前を歩いている時、警備中の警察官に「ちょっとちょっと」と呼び止められました。「安全のためリュックの中身を確認させてください。」とのことでした。これだけの人波ですから、危険物でも持ち込まれたら危ないので、そういった荷物検査をやっているのだと思います。その警察官は、たまたまリュックの中に折りたたんで入れてあったボウリングのスコアを書いた紙を見つけて、広げて見せてくれ、と言いました。私がその紙を広げて見せると「わかったわかった。御協力ありがとう。」と言って、そのまま行かせてくれました。その警察官は、危険物を持っていないかどうかを確かめると同時に、「好ましくないスローガン」などを持って、天安門前広場で掲げよう、などということを考えていないかどうか、確認したかったのだろうと思います。

 皆さん御存じのように、天安門には真ん中に毛沢東主席の肖像が掲げられており、その両側に、赤地に白抜きで、広場側から見て左側に「中華人民共和国万歳」、右側に「世界人民大団結万歳」という文字が書かれています。今日は、それと対面する形で、天安門前広場の真ん中にある人民英雄記念碑の前には孫文の肖像が掲げられ、その両側に、赤地に白抜きで、天安門から見て左側に「祝賀中華人民共和国成立五十八周年」、右側に「堅定不移地走中国特色社会主義偉大道路」(中国の特色のある社会主義の偉大な道を堅持してぶれずに歩んでいこう)と書かれていました。10月15日から第17回中国共産党大会が開かれますので、それを意識したスローガンの表示だと思います。

(参考)「新華社」ホームページ2007年10月1日14:53アップ組写真
「連休週第一日:天安門前広場に集まった人々」
http://news.xinhuanet.com/photo/2007-10/01/content_6820641.htm

 夜7時の中央電視台のニュースによれば、胡錦濤国家主席・中国共産党総書記は、今日の国慶節は北京にはおらず、上海にいて、工場の視察や、2日から上海で始まるスペシャル・オリンピックに出る知的障害者の人たちと交流したりした、とのことです。

 マンションやオフィスビルの建設ラッシュはどう見てもバブル的で、株の上昇の仕方も尋常ではなく、豚肉をはじめとする物価も上昇し、国内外でニセモノ騒ぎが続き、億の単位で都市部に出稼ぎに出てきている農民工のこどもたちが公立学校へ行けない、というような問題が続いている中で、十数万人の人たちが天安門前広場で穏やかに休日を楽しんでおり、社会が不安定になりそうな気配は全く感じない、それが現在の中国のいつわらざる姿なんだと、今日、国慶節の天安門前広場で改めて思いました。

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