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2007年9月13日 (木)

安倍総理辞任表明の中国での伝えられ方

 昨日(9月12日)の安倍総理辞任表明関連のニュースは、中国でもタイムラグなしで報道されています。中国の大衆紙「新京報」の9月13日付け紙面では、1面の2番目に見出しが載り、中の方ではA26-A27面の2面にわたって大きく報道しています。

(参考1)「新京報」2007年9月13日付け記事
「日本の安倍首相、辞職を発表」
http://www.thebeijingnews.com/news/guoji/2007/09-13/018@072548.htm

※ネット版の「新京報」は、従来は記事の全てをネット上に掲載していましたが、9月になってから方針を変え、誰でもアクセスできるネット上では記事の一部しか載せず、「詳しくは電子報のページ(会員限定)へ」と誘導する方針に変更になっています。私は「新京報」(1部1元(約15円))は毎日買っていますが、実際の紙面に載っている記事は、上記のページに載っているよりも詳しく、写真ももっと数多く載っています。

 安倍総理辞任関連のニュースを見ていると、日本の民主主義も、そんなに世界に威張れたもんじゃないなぁ、と思いますが、中国の読者はこの記事を見てどう思ったでしょうか。「新京報」の紙面の方の記事では、新聞の号外を争って受け取る日本の市民の写真や、自民党の幹部が会議をやっている部屋の外で耳をそばだてて中の様子を聞こうとしている記者たちの写真が載っています。記事の中では、「参院選の後に辞めればよかったのに」とあるタクシーの運転手さんが言っていた、という共同電の記事が引用されていました(中国では一般市民が「指導者」の発言についてコメントした発言が新聞やテレビに登場することはありません)。

 今日(9月13日)、安倍総理が入院したニュースは、中央電視台の夜7時(日本時間夜8時)からの「新聞聯播」でも流していました。

 中国の人たちは、こういった外国のニュースはリアルタイムでしょっちゅう見ているので、「自分たちの国とはだいぶ違うんだよなぁ」ということはみんなよく知っています。

 中国の新聞では、例えば、アメリカの大統領選挙などについては、「『自由な選挙』と言われるが、実質的には共和党と民主党の候補者しか大統領になれないし、そもそも党の候補者になるには、相当の集金能力がなければならず、結局はお金のない人は、大統領選挙の候補者にすらなれない。」などという論評が載ることがあります。当たっているだけに反論できないところですが、一般の中国の皆さんはどう考えているのでしょうか。たぶん、政治の話は自分たちが何かしたってどうなるわけでもないので、とにかく自分の生活を少しでも豊かにすることが先決、と考えているのだと思います。

 しかし、例えば、昨日(9月12日)付けの「新京報」の社説では、農民工の子女の義務教育の問題を取り上げていました。

(参考2)このブログの2007年9月2日付け記事
「農民工学校の苦悩」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/09/post_4e0d_2.html

 1部1元(約15円)の「新京報」は、中国の新聞としては値段が高い方だし、広告も多いのですが、北京ではかなり売れている部類の新聞だと思います。「新京報」が結構難しい政治的課題についての記事を載せるのも、読者がそれを読みたいと思っているからだと思います。

 こういった新聞報道などを通じて、中国の人々の政治に対する意識もだんだん変わっていくのだろうなぁ、と安倍総理辞任表明に関する中国の新聞の報道を見ながら感じました。

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