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2007年9月20日 (木)

中国の会計検査報告

 中国では、会計検査院(中国語で「国家審計署」)が毎年9月に前年度の中央政府の各省庁の会計検査結果を公表します。今年も昨日(9月19日)2006年度(中国の年度は1月~12月)の会計検査報告が公表されました。全文が中国の会計検査院のホームページで見ることができます。

(参考1)中国会計検査院ホームページ
「49省庁等の2006年度予算執行及びその他の財政収支監査結果(上)」
http://www.audit.gov.cn/cysite/docpage/c516/200709/0919_516_20325.htm

(参考2)中国会計検査院ホームページ
「49省庁等の2006年度予算執行及びその他の財政収支監査結果(中)」
http://www.audit.gov.cn/cysite/docpage/c516/200709/0919_516_20326.htm

(参考3)中国会計検査院ホームページ
「49省庁等の2006年度予算執行及びその他の財政収支監査結果(下)」
http://www.audit.gov.cn/cysite/docpage/c516/200709/0919_516_20327.htm

 普段は、中国の新聞では、地方政府のいろいろな問題に関する記事はよく載りますが、中央政府の「好ましからざるところ」が載ることはまれです。しかし、この会計検査院の報告では、中央政府の各省庁の予算執行上の問題点がしっかりと指摘されています。例えば、改革開放政策の先頭に立っていろいろな政策を打ち出している国家発展改革委員会も、規定に違反して企業から賛助費用として1,340万元(約2億円)を受け取った、などと指摘されています。最近、汚染排出企業を摘発したりして「正義の味方」的存在になっている国家環境保護総局も、工場排水処理の科学研究等の名目の予算6,000万元(約9億円)を株取引や対外投資等の投資目的で使った、などと指摘されています。

 並んでいる項目を見ていると「無駄遣いした」というよりも、違法行為じゃないのか、と思える部分もあります。ただ、中国は、まだ法律が完全に整備されていない部分もあるのと、運用に当たっては行政府の裁量権がかなり広く読めるような規定になっている法律も多いので「法律違反」とまでは言えないのかもしれません。

 上記の会計検査報告の対象になっている49省庁の中に公安部や国防科学技術委員会は入っていますが、国防部は入っていません。会計検査の対象になっていないのか、対象にはなっているけれども会計検査結果が公表されないのか、はわかりません。

 また、毎年この時期に発表されるこの会計検査報告が、次の年度の予算の決定にどのような形でフィードバックされているのかは、私はまだ勉強不足でよく知りません。

 日頃、ほとんど中央政府に批判的なことが載ることが少ない新聞でも、この会計検査報告については、かなり大々的に報道されます。ただ、この会計検査報告を伝えている今日(9月20日)付けの「新京報」では、記事の末尾に「この記事は、会計検査院のホームページに基づいています。」と注意書きが書かれています。こういった内容の記事を新聞が独自取材で書くというのは、やはり難しいことなのかもしれません。

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