« 農民工学校の苦悩 | トップページ | 中国における「発表」の読み方 »

2007年9月 3日 (月)

チームワークの力

 私が、7月16日に起きた中越沖地震に関する日本のニュースを見ていて書いて

http://folomy.jp/heart/

の「テレビフォーラム」に7月22日にアップした文章をこちらのココログにも掲載します。

 folomyは、かつての@ニフティのフォーラムを運営していた人たちが集まって運営しているサイトで、メールアドレスを持っている方ならば誰でも無料で登録できます。私がfolomyに書いたものの再アップは、折りを見て時間のあるときに行います。従って、例えばfolomyに掲げた文章のアップは1か月程度遅れると思います。最新の文章を御覧になりたい方は、ぜひ、御自分で上記のアドレスからfolomyに登録して、御覧いただくよう御願いします。

---------------------
【チームワークの力】

 今回の中越沖地震で被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げます。

 北京でもBSの放送が見られるので、今回の地震のニュースはテレビで随分見ましたが、今回の地震のニュースでひとつ印象に残ったのは、ある自動車部品の工場が地震の被害に遭ったために、部品の供給がストップし、大手自動車メーカーのほとんどが生産ラインのストップを余儀なくされた、という話でした。しかも、普段はライバル同士の各自動車メーカーや他の部品ーメーカーがこの部品工場の復旧へ向けて協力している、とのことでした。私は、このニュースを見て、日本の持つ底力の一端を見たような気がしました。

 一般消費者にはほとんど会社の名前すら知られていないが、ある特定の分野の部品に関しては、世界のシェアの6割、7割を占めている、というような部品メーカーが実は日本にはたくさんあります。最近、韓国や中国などのアジア諸国の工業力の発展がめざましく、これらの国々からの輸出製品が欧米の産業に脅威を与え、貿易摩擦として議論されることがよくありますが、これら「Madi in Korea」「Made in China」など製品のキーとなる部品は実は日本から輸出されたものだ、というケースが数多くあります。

 改革開放前の中国の国営企業では、それぞれの工場の中に工作機械やその部品を製作する作業所があり、いわゆる「自給自足」で生産を行っているところが数多くありました。他の企業と関係なく独自の計画で生産できる、というメリットはあるのですが、全ての段階の生産設備を持っているので、非常に非効率的でした。それに対して、日本の場合は、各部品について、分業化・専門化が進んでおり、最も品質がよく、最もコストが低い専門メーカーが作った部品を複数のメーカーが利用するので、全体として品質のよい最終製品を低いコストで生産することができます。「日本株式会社」と言われるゆえんですが、これは、ある意味で、日本という社会の中の「チームワークの力」によるものです。

 野球で、ホームラン・バッターばかりのチームは決して優勝できず、犠牲バントを確実にできる選手、盗塁の得意な選手、短いイニングをぴしゃりと抑えるストッパーなど各専門のスペシャリストが集まってチームワークで勝てるチームが強いのと同じです。

 今回の中越沖地震をはじめ、最近、日本では大きな被害をもたらす地震が相次いでいます。しかし、その都度、チームワークの力で復旧する日本の姿は、あまり日本にいる皆様は感じていないかもしれませんが、私は世界に誇れるものだと思っています。日本では、一人の優秀な人がいてもその力を十分に発揮できず、チームの中に埋没してしまう、という批判もよく聞きますが、日本の持っているこの「チームワークの力」は、これからも大切にして欲しいと私は思っています。

(2007年7月22日、北京にて記す)

|

« 農民工学校の苦悩 | トップページ | 中国における「発表」の読み方 »

フォロミーの1200字エッセイ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 農民工学校の苦悩 | トップページ | 中国における「発表」の読み方 »