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2007年8月 2日 (木)

確かに「違法」ではないけれど

 中国では、多くの人々の経済力が上がってきたので、今は観光地はどこも大にぎわいです。日本の高度経済成長期の「レジャー・ブーム」のような様相を示しています。そんな中、観光地での商売のやり方に不満を持つ人(それも外国人観光客ではなく、中国人の観光客の中に)が最近増えてきました。

 昨日(8月1日)付けの英字紙「チャイナ・ディリー」のオピニオン欄に、Liu Shinan氏の下記のコラムが載っていました。

(参考)China Daily 2007-08-01
"Killing the goose that lays the golden egg"
http://www.chinadaily.com.cn/language_tips/2007-08/01/content_5447176.htm

 Liu Shinan氏は、先の週末、娘さんとその子の孫と一緒に渤海湾にある海水浴場に遊びに行ったのだそうです。彼は、海辺に行く途中で、孫が使うのにちょうど良さそうなプラスチック・ボードを売っていたので、それを20元(約320円)で買いました。それを持って海辺へ行こうとすると、海辺へ行く途中に「安全のためプラスチック製の浮き具の使用は禁止されています。」との立て札がありました。海辺近くには、監視員がいて「プラスチック・ボードは使用禁止です」と言われました。監視員の隣ではゴム製の浮き輪を売っていた、とのことです。監視員は「安全のため、浮き具を使うならゴム製のものを使って下さい。」と言っていました。しかたなく、彼は孫のために50元(約800円)のゴム製の浮き輪を買ってやったとのことです。

 その後のLiu Shinan氏と監視員との会話は以下の通りです。

Liu氏「使用禁止のプラスチック・ボードをなぜあそこで売ってるんですか。」

監視員「プラスチック・ボードは『ここ』では販売禁止です。彼らは『あっちの方』で売ってるんでしょ。」

Liu氏「じゃ、なんで『プラスチック製ボード禁止』の立て札があの店より海側に立っているのか。」

監視員「それは私には関係ないこと。」

Liu氏「観光客にプラスチック・ボードを買わせておいて、海辺ではその使用を禁止して、海辺近くでゴム製の浮き輪を売っているって、これは『だまし』じゃないか!」

監視員「不満があるなら、関係当局に抗議するとか、警察を呼ぶとかしたらいかがですか?」

 Liu氏は完全に頭に来て、言葉も出なかった、とのことです。でも、中国に住んでいる私にとっては「ありそうな話だ。」と思えて、変に納得してしまったエピソードでした。

 プラスチック・ボード使用禁止の区域の外でプラスチック・ボードを売り、海辺近くでゴム製の浮き輪を売ることは、ともに違法ではありません。50元くらいのことで警察を呼ぶ人もいないだろうし、関係当局に抗議に行ってせっかくの週末をつぶすような観光客もいないでしょうから、それを見越して「限りなく『だまし』に近い商売」をやっているわけで、そういう商売のやり方に対して Liu氏は怒っているのです。「観光地は貴重な資源(金の卵をうむガチョウ)だが、その金の卵を産むガチョウを殺すようなことをしている」というのが、このコラムのタイトルの意味です。

 観光客はたぶん一生に一度くらいしか来ないのだろうから、とタカをくくって、違法ではないけれども「だまし」に近いような商売をやっている観光地は、中国以外にも世界各地にあると思います。しかし、長期的に見れば、こういった商売のやり方は、その観光地の評判を落とします。オリンピックに世界中から多くの人々が中国に来ると思いますが、そういう外国人観光客が、こういった商売のやり方によって、中国に対してよくないイメージを持って帰って欲しくないなぁ、と私は思っています。

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