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2007年8月 8日 (水)

大気汚染と北京オリンピック

 今日(2007年8月8日)は、北京オリンピック開会式1年前の日です。今日は、北京ではオリンピック開始1年前の様々なイベントが行われました。テレビでその関連のニュースを御覧になった方は気が付いたかもしれませんが、今日も北京は晴れていたのですが、白くもやっていて何となく空気がかすんだ感じのする1日でした。もやのきつい時間帯では晴れているのに影ができなていないのがテレビの画面でもわかったと思います。私は8月8日は工場などを休みにして大気汚染をその日だけでもよくするのかなぁ、と思っていましたが、だいたいいつもと同じでしたね。今日の中国国家環境保護総局の「各都市の空気汚染日報」によると、空気汚染指数は88で、汚染等級はIIでした(101以上が「軽微汚染」なので、88だと「良」になります)。

 オリンピックの開会式は2008年8月8日夜8時8分からなのだそうで、これは「末広がり」の8が並んで縁起がいいからなのだそうです。でも、私のような「ひねくれ人間」は、8月8日の夜8時過ぎだと、周りはもう暗くなっているので、大気汚染が目立たなくて済むのでそれを狙ったのかなぁ、などと思ってしまいます。私には1964年10月10日の東京オリンピック開会式の時の青空が印象に残っているので、やっぱりオリンピックは青空の下でやって欲しいなぁ、と思っています。

 最近、中国国家環境保護総局の「各都市の空気汚染日報」のページ

http://www.sepa.gov.cn/quality/air.php3

では、の下の方に都市名と期間を入れると任意の都市のこれまでの任意の時期の大気汚染の状況が見られるようになりました。北京は8月に入って毎日のように雷雨が降っているのですが、大気汚染はあまりよくなっていないことがわかります。この環境保護総局のページは、中国の大気汚染をモニターするのには非常に便利だと思います(こういうふうにインターネット上で情報が公開されるようになってきていることは評価すべきなんでしょうね)。

 私はオリンピックをやる8月には少しは大気汚染は改善すると思ったのですが、あまり改善されていないようです。そういった意味もあり、北京の大気汚染に関連して、私が、

http://folomy.jp/heart/

の「テレビフォーラム」に6月25日にアップした文章を今日のこちらのココログにも掲載します。

 folomyは、かつての@ニフティのフォーラムを運営していた人たちが集まって運営しているサイトで、メールアドレスを持っている方ならば誰でも無料で登録できます。私がfolomyに書いたものの再アップは、折りを見て時間のあるときに行います。従って、例えばfolomyに掲げた文章のアップは1か月程度遅れると思います。最新の文章を御覧になりたい方は、ぜひ、御自分で上記のアドレスからfolomyに登録して、御覧いただくよう御願いします。

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アップ場所: http://folomy.jp/heart/

「テレビフォーラム(ftv)」-「喫茶室『エフ』」-「『ドナウ川の蚊柱』の続き」

記載日時:2007年6月25日

【大気汚染と北京オリンピック】

 日本のテレビではあまり紹介されていないと思いますが、先週の北京に青空はありませんでした。空を見上げると太陽がまるで満月のように透けて見えます。雲はないのですが、空がうっすら茶色がかった白い色をしているのです。国家環境保護総局の発表によると、先週の北京の大気汚染の主要原因は「可吸入顆粒物」だ、とのことです。

 私は20年前にも北京に住んでいたことがありましたが、その当時も冬や早春にはそういう日も結構ありました。原因は、暖房用の石炭を焚く煙と黄砂でした。でも、20年前は、5月、6月は、基本的にスカッと晴れてきれいな青空が広がっていた日が多かったと記憶しています。四合院風の昔のお屋敷を改造したホテルなどでは、昼間は、中庭の庭園にテーブルを出して、太陽の光に輝く新緑の下で食事を楽しんだりしたものでした。

 大気汚染の原因は、暖房や火力発電で石炭を焚いた煙、工場のばい煙、自動車の排ガス、工事現場で巻上がるほこり、などが考えられています。日本の高度経済成長期の公害もひどかったですが、今の中国ほどひどくはなかったと思います。三井物産戦略研究所中国経済センター長の瀋才彬氏は、今の中国の経済を「爆食経済」と形容しています。エネルギーや自然環境をばくばく食べて、経済成長している、という意味です。自然環境も食い尽くして行ったら、どこかで限界が来ます。先週火曜日のような視界500mの汚染度IV(1)(中度汚染)の日を経験すると、その限界が結構近くまで来ているような気がします。

 問題は、来年のオリンピックの時に、この大気汚染がどうなっているか、です。オリンピックが開催されるのは8月ですので、少しは湿度が高いので、大気汚染も少しはマシになるだろう、とか、交通渋滞緩和のため、政府がオリンピック開催期間中は工場などの操業を休止させるだろうから大丈夫だ、という楽観論もありますが、どうなるかよくわかりません。もし、先週のような大気の状態の中でオリンピックをやったとしたら、マラソンはかなりキツイと思うし、激しい運動を伴うサッカーなども大変だと思います。

 日本の国立環境研究所が中国側と共同で実施した研究によると、中国の大気汚染は、ごく小さな浮遊微粒子が原因なので、室外も室内もそれほど違いがない、という結果が出ています。従って、この大気汚染は、水泳やバスケットボールなどのなどの激しい呼吸を伴う室内競技にも影響が出る可能性があります。

 瀋才彬氏が言う「爆食経済」、即ち、自然環境が持っている余裕を食いつぶしながら成長していく経済は、タコが自分の足を食べているようなものです。韓国や日本への越境汚染も問題になっていますが、オリンピックを契機にして、この汚染を本気で何とかしないと、中国は結局は自分でそのツケを払わされることになると思います。

※瀋才彬氏の名前は、時折誤って「沈才彬」と表記されることがあります。「沈」は「瀋」という字の中国式の簡体字です。従って、日本語の表記の中で書く場合には「瀋才彬氏」と書くのが正しいのです。「瀋」氏は、英語表記は Shen であり、日本式に発音するとすると「シン」であって「チン」ではありません。

(参考1)イヴァン・ウィルのブログ(ココログ)
2007年6月19日付け記事
「北京の今日の大気汚染度はIII(1)級(軽微汚染)」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/06/iii1_5bc5.html
「6月19日の大気汚染度はIV(1)級(中度汚染)」
http://ivanwil.cocolog-nifty.com/ivan/2007/06/619iv1_d1e6.html

(参考2)国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」No.21:2006年7月号
「中国の都市大気汚染と健康影響」
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/21/21.pdf

(注)6月25日にfolomyに掲載したときは以下の2つの新聞記事も参考としてリンク先を掲げたのですが、既にリンクが切れているので、ここでは見出しだけを記載しておきます。

○スポーツニッポン2007年6月7日付け記事
「前が見えない! 浦和 敵は大気汚染」

○スポーツニッポン2007年6月8日付け記事
「辰也奮闘も・・・浦和 大気汚染に負けた」

(2007年6月25日、北京にて記す)

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コメント

>瀋才彬氏の名前は、時折誤って「沈才彬」と表記されることがあります

簡体字「沈」に対応する繁体字は「瀋」と「沈」のふたつがあり、日本漢字の「沈」に対応する簡体字・繁体字がふたつあるのが混乱の原因でしょうね。
「沈従文」などは中国文学の研究者がこう表記している例が多く、まさか中国文学の研究者が繁体字をしらないってことはなさそうですから、表記のゆれということで「沈」も間違いってことではないんじゃないでしょうか。
地名は「瀋」で人名は「沈」が多いようです。

あとは悩むのは「范」。これも日本の漢字にあるので、「範」していいものかどうか悩みます。

(「葉」などを「叶」にするのは完全におかしいように思いますが・・・)

投稿: きむら | 2009年2月24日 (火) 02時10分

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