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2007年8月25日 (土)

北京の流動人口は510万人

 8月21日付けの北京の大衆紙「新京報」によると、今年6月末時点で、北京市の戸籍人口は1,204万人であるのに対し、流動人口は510.7万人で、双方を合わせた北京の総人口は1,700万人を超える、とのことです。

(参考)「新京報」2007年8月21日付け記事
「部屋の賃貸登記制度、全国で実施へ~公安部、貸し主の治安責任とホテルの情報収集を更に厳格にする方針~」
http://news.thebeijingnews.com/0546/2007/0821/014@284963.htm

 北京市は、国の直轄市で、日本の「市」よりは相当に広い範囲をカバーする行政区域で、面積は約16,410.54平方キロあります。日本で言えば、岩手県よりちょっと広く、四国よりちょっと狭い程度の面積です。北京市政府は、基本的に戸籍人口の1,200万人を対象として様々な行政を行っていますので、実際に住んでいる人口の約3割に当たる510万人の人々は、住居、教育などの面で、北京市政府から行政上の支援を受けることができません。

 しかも、この「流動人口」は、北京市の市街地部分に集中していると考えられますので、北京市市街地での「流動人口」の割合は、北京市全体を平均した3割という数字よりもっと多いと思います。このため治安の維持が重要な問題となります。戸籍人口より多い数の人がいるため、北京市の警察だけでは十分な治安維持ができない可能性があるからです。このため、上記の「新京報」の記事では、各流動人口の出身地域の地方政府から警察要員を派遣してもらい、そられらの地方警察要員で流動人口の人々の治安に当たらせることを公安部は計画しているとこのとです。これは俗に「ふるさと警察」(中国語で「老郷警察」)と呼ばれている、とのことです。

 上記の「新京報」の記事では、地方の事情に通じた出身地の警察に取り締まりを任せることは「郷土意識」の観点ではいい面もあるが、各地の警察によって取り締まりのやり方が異なったりして公平性を欠くことになる可能性があるほか、外地から来ている人たちともともと北京に住んでいる市民との間の融合の妨げになる可能性もある、という社会学者の意見も紹介しています。

 いずれにせよ、来年の北京オリンピックは、実は、住んでいる人の3割は北京市民ではない、という街で開催されることになるわけです。

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