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2007年7月 4日 (水)

中国国家環境保護総局が操業停止等の行政命令を発出

 環境汚染は中国の大きな問題になっていますが、国家環境保護総局は7月3日、特に汚染がひどい地域の地方政府や経済開発区に対する新規プロジェクトの許可停止、悪質な工場に対する操業の停止などを求める法律に基づく行政命令を発しました。その範囲は広く、兵器関連企業による環境汚染事件などを理由にした地方政府に対する許可停止処分も含まれているなど、国家環境保護総局の相当の決意に基づくものと思われます。(先週来、6月25日に発表された「党の基本方針は微動だにしない」との趣旨の胡錦濤総書記の「重要講話」を真剣に学習しよう、という一連のキャンペーンの中で、党の執政能力に対する危機感を共有すべき、と主張している評論が人民日報に掲載されていることなどを考えると、今回の国家環境保護総局の「強権発動」とも言える行政命令の発出も、胡錦濤国家主席=共産党総書記によるリーダーシップに基づくもの、と考えてよいと思います)。

 国家環境保護総局の行政命令の全文、対象となる市、県、経済開発区、工場等のリストは、国家環境保護総局のホームページ上にある下記のプレス発表文に記されています。

国家環境保護総局のホームページ2007年7月3日付けプレス発表
「長江、黄河、淮河、海河の汚染水域に『流域許可制限』を掛け、統一的な治水と新しい環境経済政策を確立する必要がある」
http://www.zhb.gov.cn/xcjy/zwhb/200707/t20070703_106035.htm

 この行政命令の内容は以下のとおりです。

○6つの市と2つの県及び5つの工業開発区に対して「流域許可制限」を掛ける。対象は以下のとおり。下記の地区では、環境保護総局では、本日(7月3日)から、汚染防止とリサイクル経済に関するもの以外の建設プロジェクトの審査及び許可を停止する。

★長江流域:安徽省巣湖市、蕪湖経済技術開発区
★黄河流域:甘粛省白銀市、蘭州高技術(ハイテク)産業開発区、内モンゴル自治区バヤナオル(Bayannaoer)市、セン西省渭南市、山西省河津市(市ではあるが県クラス)及び襄汾県(センは「こざとへん」に「狭」のつくり)
★淮河流域:河南省周口市、安徽省蝉埠市
★海河流域:河北省邯鄲経済技術開発区、河南省濮陽経済開発区、山東省シン県工業園区(シンは「くさかんむり」に「辛」)

○不正常な運転を行っている石家庄深沢県東区汚水処理場など6つの汚水処理場及び悪質な法律違反を犯している32の企業に対して「事業監視」を開始する(汚水処理場と工場のリストがあり、それぞれに対する行政命令の内容が記されている)。

☆事業監視の具体的内容の例:
6つの汚水処理場に対して:3か月以内の事業改善、未処理汚水の処理、追加除染費用の拠出など。
32の工場に対して:期限付き操業停止、無期操業停止、工場閉鎖、除染費用の拠出、現状回復など。

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 業務停止命令を受けた工場の中には、内蒙古蒙牛乳業の子会社や攀枝花鋼鉄(集団)公司傘下の企業などの有名企業関連の工場も含まれています。今回の行政命令は、

○広い地域にわたっていること

○多くの工場に対して同時に操業停止などの厳しい命令が出されていること

○個別具体的な地方政府や工業開発区を名指しして新規プロジェクトを許可しないことを明言していること

などの点で、かなりのインパクトがあるものと思われます。

 本件については、昨日(7月3日(火))夕方19:30過ぎから中央電視台第一チャンネルで放映された「焦点訪談」でも取り上げられていました。インターネットからも視聴できますので、通信環境のよい方は御覧になってはいかがでしょうか。

http://www.cctv.com/video/jiaodianfangtan/2007/07/jiaodianfangtan_300_20070703_1.shtml

環境保護総局環境監察局副局長がこの番組に登場しています。番組の中頃で放映される汚染された湖や川の映像は、日本の皆様には、かなり衝撃的だと思います。また副局長がこの番組の中で「私たちが調査している時、地方政府の人間から監視されたり、尾行されたりした。だから、これは体制上の問題だと思っている。地方政府が汚染企業を保護したり、一部の利益を重視したりしている。」と言っているくだりがあり、言っている内容としても、かなり刺激的だと思います(ホームページ上では、発言を文字で起こしたものも見られるので、中国語のわかる方は御覧ください)。

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