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2007年7月11日 (水)

北京のタンク入り飲用水の半分はニセモノ?

 「北京で売られているタンク入り飲料用水の半分はニセモノだ、と業界人が言った」というタイトルの記事が7月9日付けの「京華時報」という新聞に載り、その記事がネット版人民日報「人民網」に転載されました。

(参考1)ネット版人民日報「人民網」2007年7月9日アップ(情報源は「京華時報」)
「北京で売られているタンク入り飲料用水の半分はニセモノだ、と業界人が言った」
http://society.people.com.cn/GB/5961520.html

 北京では、水道水にはカルシウム分が多くて、水道水をそのまま飲むのはあまり好ましくないとの理由で、家や事務所に冷水器を持っていて、それ用に大きな(例えば18.9リットル入りの)円筒形のポリタンクに入った水を買って来て飲んでいる人がかなりの数います。(なお、オリンピックを控えて、北京の水道水の質もだいぶ改善されて、最近は飲めるようになった、という話も聞きます)。大きなタンク入りの水を買うという水の飲み方は、もともとはアメリカあたりから始まったのだと思いますが、日本でもオフィスなどでは最近ではかなり多くなっていると思います。

 上記の記事によると、「京華時報」の記者がある飲料用タンク水の製造工場の人に聞いた話では、北京で売られているタンク入り水の少なくとも半分は、ニセモノのラベルが貼られて造られたものだ、とのことです。この工場の人の話によると、2006年の数字では、北京では200以上のブランドのタンク入り水が売られていて、その数量は年間1億個、水を作っている工場は北京には2万近くあるとのことです。

 この記者は、業界の人になりすまして、ニセのラベルを売っている人に話を聞いたり、実際にニセラベルを張ってタンクに水を詰めている工場に行ったりした状況をレポートしています。こういう「ニセラベル」の水は、短時間で多くの水を入れようとして回収されたタンクをよく洗わないで水を入れるため、大腸菌などの量が基準値を上回るものがある、とのことです。

 この記事が出た翌日の7月10日、国家品質検査総局は、記者会見で、北京で売られている飲用水の96.9%は合格であると発表しました。この数字は、今年5月10日に実施した北京の141の工場の162種類の製品に対する検査で、合格したのは157種類で、全体のサンプリング調査の結果としては96.9%が合格だった、という結果を発表したものです。この記者会見の席上、「北京で売られているタンクの水の半分がニセモノだ」との記事について記者から質問された国家品質検査総局の担当官は、個別の水製造工場の問題については現在調査中であり、適切な時期にメディアに調査結果を公表したい、と述べた、とのことです。

(参考2)「新京報」2007年7月11日記事
「北京の飲用水の生産合格率は96.9%」
http://news.thebeijingnews.com/0555/2007/07-11/014@275542.htm

(参考3)ネット版人民日報「人民網」に2007年7月11日7:46に転載された「京華時報」の記事
「品質検査総局、北京のタンク水について調査」
http://society.people.com.cn/GB/5961520.html

 そもそも国家品質検査総局の正規のラベルの製品の検査でも、3.1%が不合格だった、ということ自体が問題だと思います。それに加えて、もし本当に正規のラベルではないニセラベルの水が、北京で売られているものの半分を占めていたのだとしたら、毎日、水を飲んでいる私としては、問題外の話だと思っています。

 最近、中国製品について、ニセモノや食品などの安全性の問題が各国で問題になっていますが、実は、ニセモノ問題は、国内問題として中国自身にとっても重要な問題なのです。

 飲料水については、先日、別の調査結果が新聞に載っていました。7月2日付けの「新京報」に載っていた記事です。この記事に載っているのは、中国全土を対象としたボトル入りの飲用水の調査では、12.8%が不合格だったとのことです。

(参考4)「新京報」2007年7月2日
「ボトル入り飲用水の12.8%は不合格」
http://news.thebeijingnews.com/0555/2007/07-02/015@273478.htm

 私は20年前に2年間北京に駐在していた時、一度、缶ジュースを飲んで「あたった」ことがありました。たぶん缶ジュースに雑菌が入っていたからだと思います。あれから20年経って、中国はかなり経済成長し、いろいろな物が作られるようになって、立派な製品も数多く作るようになりましたが、逆に底辺も広がったので、「合格率」という率の数字で言うと20年前とあまり進歩していないのかもしれません。

 いずれにしても、飲用水の品質の問題は、人々の健康に直接影響する問題なので、当局も「北京で売られているタンクの水の半分はニセモノ、と業界の人が言った」という記事は相当重く受け止めているようです。現在、調査中、とのことですので、きちんとした調査が行われて、「ニセモノのラベルが売られている」などという状態は、きちんと取り締まって欲しいと思います。

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