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2007年7月22日 (日)

中国の経済成長はまだ過熱状態

 7月19日、中国統計局は、2007年前半の中国の経済成長率が11.5%、第二四半期の成長率は11.9%であった、と発表しました。

(参考1)中国統計局2007年7月19日発表
「上半期の国民経済は継続して安定的なスピードある発展を続けている」
http://www.stats.gov.cn/tjfx/jdfx/t20070719_402418926.htm

 この統計局の発表の直後の7月20日、国務院は貯蓄利子に対する所得税を8月15日以降、現在の20%から5%に引き下げる、と発表しました。市場に出回って株取引などに使われている個人資産を貯金に引き戻すための方策です。また、同日、中国人民銀行は、1年ものの基準金利を0.27%アップさせ、従来の3.06%から3.33%にする、などの利上げを発表しました。これも景気引き締め対策のひとつです。

(参考2)ネット版人民日報「人民網」経済ページ2007年7月20日19:10
「国務院、貯蓄利子税の税率を20%から5%に減税することを決定」
http://finance.people.com.cn/GB/6015097.html

(参考3)ネット版人民日報「人民網」経済ページ2007年7月20日17:18
「中央銀行、人民元貸し出し基準金利を1年ものにつき0.27%アップ」
http://finance.people.com.cn/GB/6014773.html

 これらの動きについて、7月23日号(7月21日発売)の経済専門週刊紙「経済観察報」の社説は、これまでも景気抑制策が小出しに出されてきているが、今年前半の経済成長率が引き続き高いレベルにあることを見ると、今までの景気抑制政策が全然効いていないのではないか、との懸念を表明しています。この社説では、将来の安定的で継続的な中国の経済発展のためには、内需振興を図るべきで、現在、一般庶民が社会保険、医療、教育、住宅などの不安を抱えているために安心して消費にお金を回せていない現状を考えれば、今、国の財政は比較的余裕があるのだから、財政投入の重心を公共事業に置くのではなく、民生問題の解決に力を入れるべきだ、と主張しています。

 私は、この社説で「上半期の経済成長率が11.5%、第二四半期だけ見ると11.9%という数字は、目標とされる8%を4%近くも上回っており、軟着陸どころか、ますます収めるのが難しい勢いになってきている」と述べていることが、この社説の筆者の一種の「危機感」を示していると思いました。

 北京オリンピックまで、ほぼあと1年。経済における各プレーヤーは、そろそろ「オリンピック後」の中国経済の姿を想定しながら動くべき時期のはずです。各プレーヤーは「オリンピック後」も年12%レベルの経済成長が継続される、と考えているのでしょうか。今の時点である程度ブレーキを掛けておかないと、「オリンピック後」にうまくスムーズに連続的に移行していけないのではないか、とみんなが思っているはずなのですが、現実にはまだブレーキは掛かっていません(政府としてはブレーキを掛けているつもりなのでしょうが、全然効いていない)。

 まだまだ、中国経済は目の離せない状況が続きそうです。

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