« 中国における地上波テレビの威力 | トップページ | 北京で大学生の自殺相次ぐ »

2007年6月 9日 (土)

スローライフというぜいたく

 私が、

http://folomy.jp/heart/

の「テレビフォーラム」に5月12日にアップした文章をこちらのココログにも掲載します。

 folomyは、かつての@ニフティのフォーラムを運営していた人たちが集まって運営しているサイトで、メールアドレスを持っている方ならば誰でも無料で登録できます。私がfolomyに書いたものの再アップは、折りを見て時間のあるときに行います。従って、例えばfolomyに掲げた文章のアップは1か月程度遅れると思います。最新の文章を御覧になりたい方は、ぜひ、御自分で上記のアドレスからfolomyに登録して、御覧いただくよう御願いします。

---------------------
アップ場所:
http://folomy.jp/heart/
「テレビフォーラム(ftv)」-「喫茶室『エフ』」-「『ドナウ川の蚊柱』の続き」

記載日時:2007年5月12日

【スローライフというぜいたく】

 今日(5月12日)のNHK総合テレビの夜7時のニュースで「ロハス」について報道していました。「ロハス」とは、地球や環境のことを考えて、健康と持続可能なライフスタイルを考えよう、という主張のことです。あくせく働くことをせず、スローライフで行こう、という考え方もこれに含まれていると思います。

 今、私は中国にいますが、今の中国では、みんながセカセカしています。20年前の中国では、経済発展は始まりつつありましたが、まだだいぶのんびりしていたところがありました。今は、朝の出勤時間帯には、オフィス・ビルのエレベーターに乗ると、せっかちに「閉」のボタンを押す人が多くなりました。他人より少しでも早くやらないと儲け損なう、という一種の殺気立った雰囲気が街中にあります。ほんとうは「活気がある」と言うべきなのでしょうが、13億人の中国の人々がみんなこんな感じなのかなぁ、と考えると、「活気がある」を通り越して、やっぱり「殺気立っている」と感じてしまいます。

 高度成長期や「24時間戦えますか」が流行したバブル時代の日本に来た外国人も「殺気立っている」と感じていたのでしょうか。今の日本で「ロハス」とか「スローライフ」とか言われるようになったのは、「余裕が出てきた」のでしょうか、それとも「頑張っても勝てないから、ゆっくり行こうや。」という「あきらめの心境」なのでしょうか。

 「ちょっとでも多く儲けよう」と思ってセカセカすることや、「ゆっくり行こうや」とのんびりすることは、いずれも「少なくとも食べることには不自由はしない」ということが前提ですので、飢え死にすることはまず心配しなくてよい中国や日本は恵まれている方だと思います。中国では、多くの人が自分の国のことを「いやいやまだまだ中国は発展途上国です」と謙遜半分・交渉の手段として半分で言いますが、少なくとも都市部では食べ物や物資はあふれるほどあります。昨日の中国のテレビでは、あるレストランでは、金額にして年間に使われる金額の10%が「残飯」として廃棄されている、これはもったいない(中国語で「可惜」)、省エネ・省資源の方針に反する、と伝えていました。

 「もっと儲けよう」とセカセカできることは幸せですが、「もっと儲けよう」と思わなくて「ロハス」や「スローライフ」を目指そうとしてもそこそこ暮らしていくことができる状況にいることはもっと幸せだ、と思った方がよいと思います。日本でも「格差社会」が問題になっていますが、中国の農村と都市の格差の問題に比べれば、日本の格差問題は小さく見えてしまいます。「ロハス」や「スローライフ」は、地球のことを考えている、というのは確かだと思うのですが、それは一種の相当な「ぜいたく」なのだ、ということにも思いを巡らせる必要があると思います。

(2007年5月12日、北京にて記す)

|

« 中国における地上波テレビの威力 | トップページ | 北京で大学生の自殺相次ぐ »

フォロミーの1200字エッセイ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 中国における地上波テレビの威力 | トップページ | 北京で大学生の自殺相次ぐ »