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2007年6月11日 (月)

北京で大学生の自殺相次ぐ

 6月初旬は、中国の受験シーズンです。今年、中国の大学入試の受験者数が1000万人を超えた、というのが最近ニュースになりました。これだけ受験生が多くなると、競争も熾烈です。大学に入ってからも、競争が激しいので、中国の大学生の中にはプレッシャーを強く感じている人がいるようです。

 5月第1週は中国でもメーデーの連休ですが、この5月の連休明け、北京の大学では学生の飛び降り自殺が相次ぎました。北京の新聞記事よると、以下の飛び降り自殺があったとのことです。

5月8日:北京石油化学工学院で2年生が
5月14日早朝:精華大学の女子学生が
5月14日午後:中国農業大学西校区で2年生の男子学生が
5月15日北京師範大学で女子学生が
5月16日中国人民大学でドクター研究生が

(参考URL)
ネット版人民日報「人民網」2007年5月21日付け記事
「学生の飛び降り自殺相次ぐ 大学側、緊急に心理的危機の調査を実施」
http://edu.people.com.cn/GB/5754327.html

 複数の人に聞いたところ、最近の大学生の心理については、下記のような背景がある、とのことです。

○地方出身で北京の大学に入学した学生は、例えば地元の県(日本の県より小さい地方行政単位)で1番の秀才として選ばれて大学に入ったが、北京の大学に入ると、自分が普通の学生の一人に過ぎないことを知り、そのギャップに悩む。

○北京では、平凡な(自分より優秀ではない)学生でも、パソコンの使い方に慣れているのに対し、自分はパソコンに触ったこともない、といった地方出身の学生は、焦りを感じる。

○地方出身の学生は、例えば借金をして入学金を支払う場合もあり、親や地元の期待もあって、「頑張らなければ」という強いプレッシャーを受けている。

○都市部と地方とでは物価水準が違うので、北京の学生が気楽に行ける遊び場所は値段が高すぎて地方出身の学生は一緒に遊びに行けないので、「オフ」の部分でも地方出身の学生は都市部出身の学生とのギャップに悩むことになる。

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 中国には「農村戸籍」と「非農村戸籍」があり、農村戸籍の人は原則として都市部に出て就職して定住することはできません。成績が非常に優秀で、一定のレベルの研究者になる、などの条件を満たさない限り、都市戸籍は取得できません。北京の大学に通学しているだけでは北京の戸籍は取得できないのです。都市戸籍を取得することができなければ、地方出身の学生は地方に帰らざるを得ません。つまり、大学での成績によって、住む場所も含めて自分の将来が決まるので、学生は必死に勉強せざるを得ない環境になっているのです。中国の学生に、日本の学生に比べて、ハングリー精神があり優秀な人が多いのは、こういった背景も関係しているようです。

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