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2007年5月27日 (日)

面白くなった北京の新聞

 私は

http://folomy.jp/

に文章を書く以外にも、知人に「ほぉ、これは面白い」などと中国にいて感じたことをメールで知らせたりしています。そのうち、ブログ上で公開して、多くの方々に読んでもらってもいいかなぁ、と思うものについて、適宜アップしていこうと思います。中国の「今」をお知りになりたい方の御参考にしていただけたら、と思います。

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【面白くなった北京の新聞】(2007年5月20日)

 ずっと継続して中国と関係して来た人は気が付かないのでしょうが、20年ぶりに北京での生活を始めた私にとっての驚きは、北京で読める新聞が「面白くなった」ということです。人民日報、経済日報などの全国紙は、20年前と同じようなことが書いてある(人民日報、経済日報はむしろ20年前より「お堅く」なった印象がある)のですが、北京の地元紙の「北京晨報」「新京報」は非常に面白いです。「新京報」は、ニセ・ディズニーランドと呼ばれた石景山遊楽園について北京市当局が調査開始を指示した、と報じた新聞ですが、この二つの新聞は、事件・事故や社会問題も含めたニュースをタイムリーに報じています。「北京晨報」は、「昨日、建設中の北京市朝陽区○○ビルで火災。工場労働者が怪我。死者はなし。」といったニュースを写真入りで報道するし、先日の清華大学での学生の飛び降り自殺も翌日に報道していました(このニュースは、競争社会の中で追い詰められる現代中国の大学生のひとつの側面を示していると思います)。

 今日(20日)付けの「新京報」の写真入りトップ記事は「天文台の無料開放、数千人が来訪~館内が一時混乱、一時入り口を閉鎖、協議の上、保安要員と望遠鏡の数を増設~」という記事でした。昨日、一昨日と「世界博物館の日」を記念したイベントとして、北京市天文台が無料開放されたのですが、昨日は土曜日で天気もよく、土星や金星が見られる、とのことで、予想を上回る1000人以上が来場し、一時館内が混乱した、というニュースです。この混乱は昨夜8時から10時半頃に起こったこと、とのことです。日本ならば、この種のニュースが翌朝の新聞に出るのは当然、ということなのでしょうが、党の宣伝部の指導下にある北京の新聞が、この速さで「マイナスの」ニュースを伝えるようになった、ということは、20年前を知る私にとっては感激でした。

 今日(2007年5月20日)付けの「新京報」で、その他、興味ある記事をポイントだけ書くと以下の通りです。

○湖南省桃江の鳥インフルエンザの状況~6万羽あまりをと殺、状況はコントロール下に
(農業部のスポークスマンの5月19日の発表によると、湖南省益陽市桃江県浮邱山郷石跡坪村で発生したH5N1型の高毒性鳥インフルエンザは、11,1172羽が死に、52,874羽がと殺された。現在、状況はコントロールされている。桃江県の他の場所では、現在のところ異常は見られていない)・・・この記事は新華社電

○北京の1日の公共交通機関の旅客輸送量250万人増加
(昨日、北京市党大会に出席した公共交通集団党委員会書記で社長の鄭樹森氏が発表したところ次の通り。今年1月1日以来実施している公共交通機関優先措置により、公共交通機関の利用者は去年12月の平均より1日当たり200万人増えている。これは増加率20%である。5月10日以降、1日の公共交通機関の旅客運送量は1100万人で、対前年同時期比約250万人多い。現在、公共交通機関が担っている全旅客運送量に対する割合は30%に増加したことになる。)

○北京のICカード使用率は全国最高
(鄭樹森氏は、北京の公共交通ICカードについて、現在までのところ1100万枚が販売され、1日1000万回近く使用されていると報告した。利用率は80%(乗客の支払いの10回に8回がICカードを使用)で、これは全国最高である)

○カップル受難 反撃した男性、3回斬りつけられ重体
(昨日0時過ぎ、中国政法大学研究生院東門付近の地下道で、カップルが2人の男に襲われた。カップルのうち男性が反撃したところ、3回斬りつけられ左腹部に傷を受け、危篤状態。警察が現在調査中。)

○于幼軍(山西省長)、山西省の石炭「売り惜しみ」を否認
(一部ネット上で「山西省は、石炭を『売り惜しみ』し、値上がりを待っている」と報道されたことに対し、于幼軍山西省長は「輸送手段が足りないことがネックである」と「売り惜しみ」報道を否定した)。

○中国とアメリカの地方政府の経済に対する姿勢の7つの違い
(「中国の地方政府は、自分が土地や金融など地方経済の重要な部分を担っているが、アメリカの地方政府は直接地方経済の経営には参加しない」「中国の地方政府は、地方経済の計画、支持、補助などの政策手段を持っているが、アメリカの地方政府は、税の徴収や一定の財政上の支援などはあるが力を発揮する余地は非常に少ない」「中国の地方政府は自ら大規模プロジェクトを実施するが、アメリカでは個別事業は企業が実施し、地方政府が自らプロジェクトを実施することはない。」「中国の地方政府は政策を自ら決定するが、アメリカの地方政府は議会から授権された範囲内で予算を執行する」など中国とアメリカの地方経済に対する位置づけの違いを解説しています)

(注)単に中国とアメリカの地方政府と地方経済の関係の事実関係を述べているだけの記事で、多くの方には何の変哲もない記事だと思われるでしょうが、私には、この記事は、各地でむちゃくちゃなことをやっている中国の地方政府への批判であり、ひいては地方経済を全て自らコントロールしようとする地方経済における共産主義的経済手法に対する批判である、と映るので、このような記事が堂々と新聞に掲載され、一般市民が自由に買える(「新京報」は1部1元(=約16円))ことが私にとっては「感動もの」なのです。

(2007年5月20日:北京にて記す)

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